|
■URL
http://www.thomson-multimedia.com/gb/06/c01/010614.htm
フランスのThomson multimediaは14日、音声ファイルの圧縮フォーマットとして世界中で広く使われている規格「MP3」の上位互換バージョンである「MP3PRO」を発表した。同時に同社のホームページではMP3PROに対応したエンコーダ・デコーダーのソフトを無料で配布している。このソフトウェアはWindows95/98/2000/NT/Meに対応しており、WAVファイルをMP3PROファイルに64kbpsのレートでエンコードすることが可能だ。
MP3PROは、従来のMP3との間で完全な相互互換性を実現している。つまり、MP3PROのプレイヤーで既存のMP3ファイルを聞くことができるだけでなく、MP3対応プレイヤーで新しいMP3PROファイルを聞くこともできるのである。しかし、音質が向上したMP3PROのパフォーマンスを発揮するためにはMP3PRO対応エンコーダでエンコードしたファイルをMP3PRO対応のデコーダーで再生しなければならない。
このMP3PROでは、圧縮する音声は2つの部分に分割される。一つの部分には既存のMP3ファイルに含まれるのと同じ音声要素を含んでおり、そのために完全な互換性が実現された。もう一つの部分には、MP3PROファイルの再生で必要となる高周波音が含まれているほか、音響心理学的な効果や音楽の構造解析などにより、MP3PROの64kbpsエンコーディングレートでもMP3の場合の128kbpsエンコーディングレートと同様のパフォーマンスが得られるという。これによりMP3PRO対応プレイヤーではフラッシュメモリーやCDの中にこれまでの倍の数の楽曲を保存できることになる。
Thomson multimediaでは現在MP3技術をライセンスしているライセンスシーに対して新しい規格を採用してもらえるよう営業活動を行なっており、同社のMP3ライセンス部門は、MP3PROをオーディオ機器メーカーやソフトウェア企業に売り込むための包括的なプログラムを開始した。同社によるとメーカーからは好意的な反応を得ているということで、近々ライセンシーなどの具体的な発表がなされることが予測される。
(2001/6/15)
[Reported by taiga@scientist.com]