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【ブロードバンド】

パワーバンド、“同軸ケーブルインターネット”を首都圏などで展開

■URL
http://www.powerband.ne.jp/

パワーバンドコミュニケーションズのRoderick Boss代表取締役社長兼CEO(左)と森正彦COO兼オペレーション事業部長(右)。背後に貼られているのが首都圏におけるパワーバンドのHFCネットワーク整備エリア。同社ウェブサイトでサービスエリアが検索できる

 パワーバンドコミュニケーションズは16日、マンション向けのブロードバンドサービス「PowerBand」を首都圏などで展開する計画を明らかにした。専用のHFC(Hybrid Fiber Coax)ネットワークとHomePNAシステムを組み合わせ、上り下りとも最大1Mbpsの常時接続サービスを提供する。

 HFCと言えば、一般的にはCATVネットワークで採用されている技術だが、PowerBandではこれをデータ通信だけに利用する。通常は放送用に割り当てられる帯域までデータ通信で利用するため、その分高速なネットワークが構築できる。“CATVインターネット”からテレビ放送がない点を差し引いて、“同軸ケーブルインターネット”とでもカテゴライズすればいいだろうか。

 パワーバンドコミュニケーションズの親会社であり第一種電気通信事業者であるパワーバンド(チガ・サービスセンターから社名変更)が、東京、千葉、埼玉、神奈川のそれぞれ一部のエリアに約30億円をかけて構築中の専用HFCネットワークを利用する。同ネットワークは、半径が最大1km程度の“セル”と呼ばれる単位に分割されており、9月までに74のセルが首都圏に配置される予定だ。NOCから各セルの拠点までを光ファイバーで接続する一方、各セル内は同軸ケーブルを張り巡らせて個々のマンションまでカバーする。マンション内は当初、HomePNAシステムで分配するが、今後はADSLやVDSLなども検討するとしている。

 世間の期待がFTTHに集まる今、パワーバンドがあえて末端部分に同軸ケーブルを採用したのは、CATV事業者との提携を見据えてのことだ。投資を抑えるためにも、自前でネットワークを構築するのは、首都圏の中でもマンションが集中しているエリアに限定せざるを得ない。また、無柱化地域など、新たに同軸ケーブルを敷設することが物理的に難しいエリアもある。これを補うため、同社のネットワークが届かないエリアについては、CATV事業者との提携が必要だったわけであり、既存のCATVネットワークと連携しやすいHFC技術が選ばれた。また、同社がもともとCATV機器の販売を手がけていたという背景もあったという。

 パワーバンドコミュニケーションズは16日、東京都港区をサービスエリアとするケーブルテレビジョン東京と提携し、8月より同エリアにおいてPowerBandのサービスを展開することを発表した。さらに他のエリアでも同様の提携関係を築くことで、今年度中にも愛知、京都、大阪、兵庫にもサービスを拡大する方針だという。なお、CATV事業者のネットワークを利用するエリアについては、当然ながらデータ通信に使える帯域は狭くなる。専用ネットワークでは各マンションまでの30Mbpsが確保されるのに対し、CATVネットワークでは2Mbpsに止まる(今後、増速する予定あり)。

 PowerBandの料金は、加入契約料が1万5,000円、基本接続料が月額4,300円(キャンペーン価格3,900円)、HomePNAモデムのレンタル料が月額400円(加入時に9,000円で購入することも可能)となっている。導入するにあたってマンションの管理組合やオーナー側への負担はなく、加入者が1世帯でもあればサービスを提供する。すでに300棟以上のマンションとの契約を獲得しているとしている。

(2001/7/16)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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