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世界的なデジタルデバイド解消を目指す知のマーケットプレイスが登場

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http://www.digitaldividend.org/press_center/press_center_02_pr8_2_01.htm
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 米World Resources Instituteは2日、全世界に広がっているデジタルデバイドを解消するために、さまざまな個人、企業、団体がアイディアを自由に交換し、実際のプロジェクトに結びつけるためのeマーケットプレイス「Digital Dividend Clearinghouse」の開設を発表した。現在既に350もの企業、NPO、財団、国際団体、プロジェクトがこのマーケットプレイスに参加している。

 研究者によるとアジアの貧困地域にあるすべての電話数はニューヨーク市にある電話の数とほぼ同じであり、ロンドンにあるすべてのインターネットアカウントの数の方がアフリカ全土にあるインターネットアカウントの数よりも多いという。またインターネットにはすでに1億台ものコンピュータが接続されているが、これを利用できるのは全世界人口の5%にも満たない。このように全世界的なデジタルデバイドは深刻な状況を呈している。

 このDigital Dividend Clearinghouseについて財団のテクノロジー開発担当部長Mercy Grace del Rosario氏は「このクリアリングハウスは情報の金鉱だ。第三世界にある我々はこうした情報へのアクセスが通常できないのだが、このクリアリングハウスはそれを可能にしてくれた。これにより我々は自らを強め、持たざる者の世界における社会的変革を進めるよう助けてくれるのだ」とコメントした。

 このプロジェクトはしばらくの間テスト運用を続けてきたが、その間にも成立したプロジェクトがある。その一つはフィリピンにある財団のもので、フィリピンにある100の貧困地域のコミュニティーにコンピューターセンターを作り、人々が利用できるようにするというものだったが、このeマーケットプレイスによりプロジェクトのためのパートナーを見つけることができた。

 このマーケットプレイスに参加費用は無料で、現在既に350のプロジェクトが登録されている。75が営利企業、40は政府から、そして235がNPOから提出されている。今のところほとんどのプロジェクトは電話やコンピューターのセンター(116件)、それに続いて教育プロジェクト(102件)が多い。世界のほとんどの貧しい地域をカバーしているアジアとアフリカは114のプロジェクトを抱えている状況だ。

 プロジェクトは地域、関係するグループなどによって検索でき、無料で見ることができるので、現在どのようなニーズが第三世界にあるのかを誰でも見ることができる。

(2001/8/3)

[Reported by taiga@scientist.com]


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