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調査会社の米Jupiter Media Metrixは20日、既存の物理的な店舗を抱えながらWebサイトを開設してオンライン販売している、所謂“ブリック・アンド・モルタル企業”について「Web販売の成功は店舗販売と合わせて考えなければ意味がない」とする報告書を発表した。
報告書によると、こうした企業のうち69%がWebサイトのオンライン売り上げ高や利益といった数字に頼っているため、実際の店舗による売り上げが含まれておらず、結果としてWebサイトを開設したことによる企業全体としての売上高が大幅に低く見積もられていることを指摘した。もし双方を合わせて計算するならば、ROI(Return on Investment:投資資本利益率)は今までよりも65%以上高くなるとJupiterでは試算している。
Jupiterの調査によると46%の企業がWebサイトが成功しているかどうかを見極めるために売上高を利用しており、23%は利益を重んじている。一方で調査によると45%の消費者が実際の店舗で商品を購入する前にその企業のWebサイトで商品を検索しているとの結果が出ており、こうしたことからWebサイト単独でオンラインビジネスの成功を見極めることには限界があることがわかる。
これについてJupiterの上級アナリストKen Cassar氏は「ブリック・アンド・モルタル企業はインターネットだけでビジネスをしているライバル企業を盲目的に追いかけてWebサイトの利益率を計算するべきではない。典型的なブリック・アンド・モルタル企業のWebサイトは、実際にそのWebサイトによって決済される売り上げ高をはるかに超える経済的な利益を生み出すことができる。Jupiterはこうした企業がオンラインに存在することによって得られる経済的な価値の3分の2は、オンラインでの経験に影響されたオフラインでの売り上げであると推測している」とコメントした。
こうしたことからJupiterでは実際の店舗における在庫状況をオンラインで表示するなど、オンラインとオフラインのシステムを統合することの重要性も指摘している。
(2001/8/21)
[Reported by taiga@scientist.com]