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http://www.us.deloitte.com/
2001年の1月以来初めて「シリコンバレーや東海岸のVC(ベンチャーキャピタル)が投資活動を増やそうとしている」との調査結果をコンサルティング会社米Deloitte & Toucheが明らかした。この調査は5,000万ドル以上の投資額を持つ約2,000のVC幹部の聞き取り調査をもとにしたものだ。
調査結果についてDeloitte & Toucheの西海岸企業財務サービス部門部長Graham Watson氏は「調査結果によるとVCはモデルを修正し、投資やポートフォリオ管理に対してより伝統的で抑制されたアプローチを取ろうとしているように見える。90%近くの回答者が今がテクノロジー分野に投資する良い機会であると考えていると答えた」と説明した。
しかし市場は完全に回復したわけではない。上記のような楽観的な見方を相殺するかのように72%の回答者たちが「下降局面」が続き、ここ6ヶ月の間は企業評価額が減少すると予測。その結果として問題を抱えているベンチャー企業の倒産率は高くなり、VC自身も無傷では終わらず、78%の回答者がVCの内10%から33%が失敗に終わると考えている。
こうしたことからDeloitte & Toucheの東海岸企業財務サービス部長David Clark氏は「この環境においてはこれまで以上に起業家たちが出資してくれるパートナーを注意深く選ぶ必要がある。自分のビジネスの長期的な発展を約束してくれるVCを選ぶ必要があり、他の事柄によって取り乱しているようなVCを選ぶべきではない」と警告する。
楽観的な見通しとしては、今後M&A市場は安定するか好転し、93%の回答者がこれから6ヶ月の間にM&Aによるエグジット戦略がポートフォリオにおいて支配的になると考えている。またエグジット戦略における企業評価額が底をついたとも考えられており、この四半期で企業評価額がさらに減少すると考えているVCは37%にすぎなかった。これは昨第2四半期の79%に比べて大幅に減少している。さらにVCの41%が問題を抱えているポートフォリオ企業に時間を割くよりも新しい投資対象に時間をかけたいと考えていることがわかり、これは投資環境が活発になることの兆候としてテクノロジー分野の起業家にとって朗報といえよう。
(2001/8/21)
[Reported by taiga@scientist.com]