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【ブロードバンド】

地域ISPにも波及するADSLの低価格競争
do!upが月額2,180円メニューを設定

■URL
http://www.do-up.com/CTNetADSL/CTNETADSL1.html

 中国地方を中心にISP事業を展開するアーバンインターネットは、同社の運営するISP「do!up」で受付中のADSLサービスの“値下げ”を決定した。もっとも安いもので月額2,180円(NTTの回線使用料、モデムレンタル料は別途)のコースが設定される。

 do!upで受け付けているのは、中国通信ネットワーク(CTNet)のADSL回線を足回りとしたインターネット常時接続サービス。9月からの提供開始ということですでに価格体系が発表されていたが、その後、ADSLの低価格競争が進んだことを考慮して、実際にサービスを開始する前に値下げするかたちとなった。当初発表された月額料金より、最大速度が下り1.5Mbps/上り512kbpsのコースで200円、下り256kbps/上り128kbpsのコースで600円値下げされた。

 その結果、インターネット接続のみ(メールアカウントやホームページスペースを含まない)「Aコース」の場合、1.5Mbpsで月額3,480円に、256kbpsで月額2,180円となる。このほか、Aコースにメールアカウントを追加した「Bコース」では300円、ホームページスペースを追加した「Dコース」では500円、メールアカウントとホームページスペースを追加した「Fコース」では800円、それぞれ月額料金が高くなる。逆に既存のダイヤルアップによるA、B、D、Fコースの会員は、1.5Mbpsで月額2,980円、256kbpsで月額1,680円の差額オプションを支払うことでADSLサービスに対応できる。

 いくら月額料金が安いとはいえ、ADSLで256kbpsは物足りないスペックかもしれない。同様の価格帯で、Yahoo! BBは最大8Mbpsを謳っている。ところが大都市部と異なり、地方では電話局まで遠いユーザーの割合が必然的に多くなり、1.5Mbpsさえも十分に期待できないケースも増えてくる。こういった状況に対応するため、do!upではより安価な256kbpsのメニューを用意した。CTNetによると、直線距離で概ね3kmが1.5Mbpsの目安となるという。

 一方、1.5Mbpsまで十分に出るエリアであっても、ユーザーの希望により安価な256kbpsメニューを選択することも可能だ。“ブロードバンド”ではなく“常時接続”のみ導入したいというユーザーにとってはありがたい選択肢となるだろう。なお、256kbpsのメニューは、同じくCTNetのADSL回線を足回りとする、BIGLOBEの「使いほーだいADSL電力系」コースでも設定されている。

 Yahoo! BBが火を付けたADSLの低価格競争に大手ISPが続々と参入する状況が続いている一方で、採算面からADSLへの対応自体に踏み切れない地域ISPも多い模様だ。しかし、従来のダイヤルアップ接続だけでは「CATVインターネットがある地域では、どんどん加入者が流出」(アーバンインターネット)しており、これをくい止めるためにADSLなどのブロードバンドへ対応せざるを得ない状況となっている。

 do!upではすでに「フレッツ・ADSL」への対応オプションを用意しているが、合計の月額料金が高くなってしまうため、Yahoo! BBやアッカ・ネットワークスが進出してくれば勝ち目はない。ADSLに対応する以上、フレッツ以外のADSL回線によるサービスを投入し、低価格競争に追随せざるを得ない状況となっている。

 そんな中、アーバンインターネットでは、一度発表した月額料金からさらに「鼻血も出ないくらい」収益率を切り詰めることで今回の値下げを実現した。接続以外に、ECや有料コンテンツなどの収益源を持たない地域ISPにとっては、これがぎりぎりの水準だという。

 今回の値下げでは、特に256kbpsメニューの値下げ率が大きいことに気付くが、これはバックボーンのコストを反映したものだ。ブロードバンドサービスを展開するにあたって料金設定に大きく影響するのがバックボーン回線のコストだとしており、この使用帯域を低く抑えることができる256kbpsメニューではユーザー料金を低く設定することができたとしている。

(2001/8/28)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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