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http://www.roonets.co.jp/
株式会社ルーネットは18日、宿泊者にブロードバンド環境で情報サービスを提供するためのホテル向けソリューション「TBIS(Tourism and Business Information System)」を発表した。VDSLによる最大10Mbpsの高速ネットワーク環境をホテル内に構築し、インターネット接続やビデオオンデマンド、観光情報などのサービスを提供する。
TBISの特徴は、インターネット接続のためのインフラを提供するだけではなく、その上で提供するサービスも合わせて提供することだという。ホテルの施設案内や周辺のガイドマップなどをホテルごとに制作するほか、ニュースやゲームなどのコンテンツサービス、有料の映画や音楽、アダルト番組のオンデマンド配信などを行なう。さらに、土産物の購入やチケットの手配が行なえるオンラインショップなども開設。有料コンテンツの料金と合わせて、チェックアウト時にホテルのフロントで支払が行なえる課金システムも提供する。なお、インターネット接続については無料となる。
サービスは独自のブラウザー上で提供され、日本語/韓国語/英語の3カ国語表示に対応。ワープロやメールなどのアプリケーション機能も備えている。特に「My Mail」機能は、メールルアドレスとパスワードを入力するだけで普段使っているISPのメールボックスをチェックできるため、ホテルの利用者にとっては非常に便利だ。ルーネットのネットワークセンターにISP各社のデータベースがあり、POPサーバーなどの設定をいちいち入力しなくてもいいのだという。世界の主なISPには対応しているとしている。
これらのサービスは、客室内にあらかじめ設置されたパソコンから利用できるほか、宿泊者が持ち込んだパソコンを接続して利用することも可能だ。チェックアウト時には、すべてのデータが自動的に消去されるようセキュリティにも配慮されている。
TBISは、韓国のルーネット社が開発したソリューションだ。ソウルにあるウェスティン朝鮮ホテルなど、韓国の一流ホテル40件以上で採用実績があるという。日本法人となる株式会社ルーネットでは、ホテル向けの有料テレビシステム事業を手がける東洋コミュニケイションズ、ネットワークシックスと協力して国内市場向けに提供していく。
協力会社では、テレビ向けのビデオオンデマンドをすでに一部のホテルで展開しており、TBISは、これをデジタルに置き換える事業という位置づけだ。当分の間は客室にテレビとパソコンという2種類の端末が併設されることになるが、将来的には一体化することも可能だという。すでに韓国法人ではTBISのアプリケーションサーバーを開発中だとしており、それが実現すれば、客室へのパソコン設置は不要になる。なお、現在のシステムで客室に設置されるパソコンは、液晶ディスプレイを備えた省スペースタイプのもので、3年程度の契約でホテル側にリースされるかたちとなる。
(2001/9/18)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]