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■URL
http://www.google.com/press/pressrel/outride.html
http://www.outride.net/ (OutrideのURL:現在Googleに接続)
米Googleは20日、カリフォルニアのOutrideが所有する知的財産権、特許権、ソースコード、商標、ドメイン名などすべての権利を買収したと発表した。買収金額の詳細などは明らかになっていない。
Outrideは、Xeroxのパロアルト研究所(PARC)から2000年にスピンアウトしたベンチャー企業で、Xeroxが取得、出願した67件の特許をもとに技術開発を行なってきた。その技術は主にネットワークの中でいかに情報を的確に検索するかということに焦点があてられている。OutrideはこれまでExcite@Home、Inktomiなどに技術提供を行なう契約を結んでいた。
人が何らかの検索を行なうときに、一般的に検索ソフトが情報を探すためのヒントは「検索語」しかない。Outrideはここに注目し、利用者のブックマークにどのようなサイトが登録されているか、またこれまでどのような検索を行なってきたか、ソフトを使う前にどのようなサイトを巡ってきたか、などという過去の情報を分析することによって利用者がどのような興味を持ち、何のために情報検索しようとしているのかを分析する。この技術はイントラネットなどの検索ソフトだけでなく、インターネット上のサーチエンジンにも応用できると考えられており、実際Outrideの技術をライセンスしたExcite@Homeはブロードバンドコンテンツ用のサーチエンジンに、Inktomiは企業用の検索ソフトビジネスに、それぞれ応用しようとしてきた。
例えば「ペンギン」という検索語が入力されたとする。ペンギンには鳥類のペンギンという意味もあるが、出版社のPenguin社という意味も持っている。Outrideの技術では利用者がどちらのペンギンの情報求めているかを調べるために、利用者がこれまでにどのような検索語を入力してきたか、ブックマークにはどのようなサイトが登録されているが、などということを調べる。検索する人が鳥類学者の場合にはブックマークの中に鳥に関連するサイトが多く含まれているだろうから鳥類のペンギンに関するサイトをまず検索結果として返せるだろう。それはその人にとって有用な情報であるはずだ。逆に出版社の人間であれば同業他社のサイトがブックマークに納められているだろうから、出版社のPenguin社の情報を最初に返すことになる。このようにして利用者にとって最も的確なサイトを検索結果として返すことができるようになる。
この買収についてGoogleの共同創業者兼社長であるLarry Page氏は「この買収はGoogleが世界で最も高品質な検索サービスを提供することに心を砕いていることを示す一例に過ぎない」とコメントした。
(2001/9/21)
[Reported by taiga@scientist.com]