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■URL
http://www.ceatec.com/japanese/frame/conf_1.html
「CEATEC JAPAN 2001」初日の2日、松下電器産業株式会社代表取締役社長の中村邦夫氏が「ユビキタスネットワーク時代のくらしを拓く」と題して基調講演を行なった。
中村氏は、21世紀の特徴として「技術の大進化」、「地球環境との共存」、「ユビキタス・ネットワーク社会」の形成の3点を挙げた。ユビキタスとは、ラテン語で「いつでもどこでも、普遍的に存在する」という意味で、“ユビキタス社会”とは、個人がいつでもどこでも複数の情報機器を利用できる社会を指す。中村氏によると、そのインフラ条件としては、放送のデジタル化、モバイルの広帯域化、IPv6、機器間接続フリーが必要だという。そして、ユビキタス社会の家庭では、入り口となるホームゲートウェイを通過して、有線・無線を問わず公共サービスや、情報家電などを利用できるほか、携帯電話や車載システムとも接続すると予想される。
中村氏は、「例えば、コンビニエンスストアは、5分以内にさまざまな商品を購入することができる。これらの商品を、それぞれの小売店で購入すると2時間かかるかもしれない。つまり、お客さんは、多少値が張っても、自分が自由にできる時間(生活創造時間)を購入したのだ。これと同様な構造改革がユビキタスネットワークによっても実現する」として、商品にサービスを埋め込んだ「超・製造業」を目指すと宣言した。
例えば、松下電器産業では、デジタルテレビを核とした“見るテレビ”から“使えるテレビ”を目指す「eプラットフォーム(ep)プロジェクト」を推進しているが、将来的には全てのネット家電を「ep」に接続するという。また、中村氏は、「いつでも誰でも使える機器の目指すことで、世代によるデジタルデバイドを解消するだろう」という。さらに、リモートで健康診断や医師との面談ができる“健康ネット”、情報家電による“電化ネット”、家庭内の電灯線を利用した「エコーネット」により、遠くに暮らしているお年寄りの様子を確認できる“安心ネット”や、屋外から冷暖房やお風呂などの準備を行なう“環境ネット”が実現されるという。
最後に中村氏は、ユビキタス・ネットワーク社会とは、人と環境にやさしい仕組みのある社会であると同時に、さまざまな個性を持つ個人が相互につながることができる社会であると結論した。
(2001/10/2)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]