【調査結果】

IPAなどが相次いで9月のウィルス被害状況を発表~1位は「Nimda」~

■URL
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2001_10outline.html
http://www.trendmicro.co.jp/virusinfo/monthly_ranking/mvr011005.htm
http://www.symantec.co.jp/region/jp/news/year01/011005.html

 情報処理振興事業協会セキュリティセンター(以下IPA)やトレンドマイクロ株式会社や株式会社シマンテックは、それぞれ9月のウィルス被害状況を発表した。IPAとトレンドマイクロの届け出件数1位は「Nimda」となっている。

 IPAの「2001年9月コンピュータウイルスの届出状況」によると、9月の届出件数は2,238件で2ヶ月連続で2,000件を超えた。届出全体の実害数も、510件(22.8%)と2001年の月間の最高実害率となった。また、届出数1位の「Nimda」ウィルスは、届出件数323件、実害数218件(67.5%)と感染実害率が非常に高い。これには、「Nimda」が感染経路を複数持つことや、IEやOutLookなどで閲覧・プレビューしただけで感染するという性質が大きく関係していると予測されている。IPAでは、今月の呼びかけを「備えあれば憂いなし」とし、早急にセキュリティーパッチを当てることを推奨している。なおIPAは「不正アクセスの届出状況」も発表している。これによると、2001年 9月のコンピューター不正アクセスの届出件数は50件で、9月に入ってから発見された「Nimda」の届出件数は、28件と届出件数の半数を超えている。

 トレンドマイクロでは「マンスリーウイルスランキング 2001年9月度」で9月の被害状況を発表している。これによると、被害届け出486件で「Nimda」が1位となっている。トレンドマイクロの「ウイルストラッキングセンター」によると、「Nimda」は発生後1週間で国内434件の感染報告があり、世界全体では143万5,675台のコンピューター感染が報告されたという。また、まとめとしてウィルスの複雑化をあげ、プレビューしただけで感染するものや、Web閲覧をするだけで感染するウィルスが増加していることから、添付ファイルを展開しないだけでは防ぎきれなくなってきているとしている。

 シマンテックの「9月分定期ウイルスレポート」では、被害件数1位は「JS.Exception.Exploit」が1位となっている。これは悪意のあるJavaスクリプトを埋め込まれたWebサイトを閲覧することによって感染するものだ。シマンテックは、自社の報告結果とIPAの9月発表結果から、ダウンロードにより感染した件数が9月で急激に増えている点を考察し、IEのJavaに対するセキュリティーを上げることや、アンチウィルスソフトの「スクリプト遮断」機能を利用することを推奨している。

 これらの調査結果をまとめると、9月は「Nimda」の被害が最も多かったことになる。また、実害率が非常に高いことから、ウィルスの複雑さが見て取れる。Web閲覧やメールのプレビューだけで感染するウィルスは、事後対策では対応できない。これからは、ますます事前対応が必須となるだろう。

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(2001/10/9)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]


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