【通信業界】

KDDIとISID、IPv6による動画配信の共同研究を開始

■URL
http://www.kddi.com/(KDDI)
http://www.kddlabs.co.jp/(KDDI研究所)
http://www.isid.co.jp/(ISID)

「日本消化器病関連学会」中継のネットワーク概念図

 KDDI株式会社、株式会社KDDI研究所、株式会社電通国際情報サービス(ISID)の3社は15日、IPv6を活用したコンテンツ配信技術研究を開始すると発表した。研究は学会中継、放送素材の配信、遠隔医療などを視野に入れたもので、第一弾として独立行政法人通信研究所(CRL)と株式会社ユグドラジルテクノロジーと共同で、17日から京都国際会館をメインとして開催される「日本消化器病関連学会」の模様を実験的に中継する。中継は札幌医科大学、東京医科歯科大学、滋賀医科大学、琉球大学医学部の全国5か所の会場を結んで行われる。

 従来、多地点同士の中継はテレビの技術を基礎としていたが膨大なコストがかかるため利用が限られていた。また、インターネットを経由する方法もあるが、動画の画質が確保できないため実用的ではなかった。そこで研究開発のために広く解放されたギガビットネットワークであるJGN(Japan Gigabit Network)とDVTS(IPoverDVの技術)による動画配信を用いてコストと画質の問題をクリアするのだ。なお、JGNでは10月1日からIPv6によるネイティブ接続実験も開始している。

 今回の実験ではKDDI大手町ビルにマルチキャストサーバーを設置。動画の配信にはWIDEプロジェクトとCRLが共同で開発したデジタルビデオ配信装置を利用、JGNとはIPv6で接続する。また、他の会場はJGNと光ファイバーで接続するが、東京医科歯科大学に関しては光無線LANを利用する。

 IIJをはじめとするISPが接続実験を始めるなどIPv6接続の基礎は整いつつある。今回の実験のような、IPv6ならではのアプリケーションが増えればさらに普及が加速していくだろう。

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(2001/10/15)

[Reported by adachi@impress.co.jp]


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