INTERNET Watch Title
Click

【業界動向】

シャープと無線アクセスシステム開発の米SOMA Networksが提携

■URL
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/011016.html
http://www.somanetworks.com/

SOMA Networksのウェブサイトに掲載されている「SOMAport」の写真。アンテナが内蔵されているため、2.4GHz帯による無線アクセスのように外部アンテナを付ける必要がない。また、基地局までの見通しも確保する必要がないという

 シャープと米SOMA Networks社は16日、次世代の固定無線アクセスシステムの開発で提携することで合意したと発表した。家庭やSOHO向けのラストワンマイルインフラを想定したもので、SOMA独自のアーキテクチャーにより、一つの無線回線上でインターネットアクセスと電話サービスが同時に受けられるという。

 SOMAでは、「Amosphere」という固定無線アクセスのためのアーキテクチャーを提唱しており、ラストワンマイル区間のためにW-CDMAベースの無線アクセス技術が用意されている。Amosphereの基地局用設備「NPM(Network Port Manager)」は半径3~5マイルをカバーし、1ユーザーあたり最大12Mbpsのインターネット接続とキャリア並みの電話サービスを提供できるという。一方、加入者宅には「SOMAport」というゲートウェイ機器を設置し、パソコンやアナログ電話機などの家庭内ネットワーク端末を接続する。USB、Ethernet、アナログ電話ポートなどの端子とともに、DHCPやNAT、パケットフィルタリングなどブロードバンドルーターとしての機能も備えている。

 これらのシステムを導入することで通信サービス事業者は、既存技術による回線を敷設するよりも低コストで、ラストワンマイルのためのインフラが構築できるようになるわけだ。また、SOMAportはプラグ&プレイで導入できるのをはじめ、基地局からの電波を受信しながら自動的に内蔵アンテナの向きまで調整してしまう機能もあるという。ユーザーにとっては手間もかからず、サポートコストの削減も実現するとしている。無線部分のインターフェイスは現在、1.9GHz帯、2.5GHz~2.6GHz帯に対応しているほか、3.5GHz帯などへも対応する予定となっている。

 なお、SOMAでは、電話サービスおよびインターネット常時接続のための機能をそれぞれパッケージしたソリューションを用意しているが、Amosphereはこれらのサービスをすべてソフトウェアのアプリケーションとして提供するアーキテクチャー構造だ。したがって、これ以外にもさまざまな付加価値サービスがAmosphere上で開発・提供可能だとしている。

 シャープが共同開発するのは、SOMAportの第2世代機にあたる製品。シャープの持つ小型化設計技術や量産技術、コンシューマー市場のノウハウなどが投入される。SOMAportの第1世代機は2002年1月にリリース予定となっており、共同開発の第2世代機については北米において2003年第1四半期の商品化を目指す。

(2001/10/16)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ

ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp