【技術】

米Grooveの技術がMicrosoftの「.NET」戦略で重要な役割を果たす可能性

■URL
http://www.groovenetworks.com/about/press/releases/2001_PDC.html

 米Groove Networksは22日、ロサンゼルスで開催されている「Microsoft Professional Developers Conference(PDC)」において、Microsoftの「.NET」アーキテクチャの中でどのようにGrooveのP2Pサービスが動作するかをデモンストレーションしたと発表した。このデモでは、GrooveのソフトウェアがMicrosoftのWindowsXP、Windows Messenger、Office、「.NET My Services」などと協調して動作するかが説明されたという。

 Grooveのデベロッパーサービス担当副社長Jack Ozzie氏によると、Grooveプラットフォームと.NETの間には、「コンポーネントに基づいたアーキテクチャ」、「XMLオブジェクトによりデータを保存」、「SOAP(Simple Object Access Protocol)による通信」という大きな共通点が3つあるという。この共通点のために、組織を超えて、あるいはPCに限らずデバイスを超えて通信を行なうことがより容易になり、Grooveの技術がMicrosoftの.NET戦略において重要な役割を果たす可能性が出てきた。

 Grooveのデモでは、MicrosoftのPocket PCが動作しているCompaqのPDA「iPAQ」から.NETのフレームワークを通して他のWebサービスにアクセスできることを示した。これはプロトタイプによるデモとのことだが、SOAPを使って通信を行なうデバイスがあれば、PCに限らずPDAやその他のどんなスマートデバイスからでも.NETフレームワークにアクセスできるということを示す一例と言える。

 Grooveは、このほかにもMicrosoft環境との親和性を示す幾つかのデモ行なった。例えば「Windows Messenger」とGrooveを統合することによってコンタクトリストを共有し、Groove空間の中の共有環境にWindows Messengerの利用者が直接アクセスしてWordドキュメント編集するといったことができるという。さらに.NETサービスの中の「.NET My Calender」「.NET Alerts」などとGrooveの共有空間を共有することによって、カレンダーの情報をP2Pを使ってどんなデバイスからでもアクセスできるようにすることもできるとのこと。

 ここ1年の間、Groove NetworksとMicrosoftは、XMLに基づいたWebサービスやP2Pサービスに関するビジョンを共有し開発を続けてきた。その結果、最近になってMicrosoftはGroove Networksに約5,100万ドルの出資を行ない、Groove Networksの約20%を取得した。この戦略的な提携関係が今後の.NET戦略にどのように具体的に影響していくのか今後注視する必要がありそうだ。

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(2001/10/23)

[Reported by taiga@scientist.com]


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