INTERNET Watch Title
Click

【ブロードバンド】

NTT東日本、「フレッツ・ADSL」に8Mbpsメニュー
現行の1.5Mbpsタイプは200円値下げ

■URL
http://www.ntt-east.co.jp/release/0110/011025a.html
http://www.ntt-west.co.jp/news/0110/011025a.html

 NTT東日本は25日、「フレッツ・ADSL」に通信速度が最大8Mbpsのメニューを追加すると発表した。11月下旬より申し込みの受付を開始し、12月25日より提供する予定。まず、東京23区の一部でスタートし、今年度内に東京都全域と首都圏に、来年度第1四半期までに県庁所在地級都市に拡大する。

 料金は電話と共用する場合が月額3,100円、共用しない場合が月額4,750円となっている。これは現行の1.5Mbpsタイプの月額料金と同額だが、8Mbpsタイプの追加にともない、1.5Mbpsタイプは12月1日より200円値下げされる。電話と共用する場合で月額2,900円、共用しない場合で月額4,550円となる。

 フレッツ・ADSLでは、すでに8Mbpsのサービスを発表しているアッカ・ネットワークスやイー・アクセスと同じく、ADSLフルレート規格の日本向け仕様である「G.992.1(G.dmt)Annex C」のADSLモデムを採用する。最大速度も下り8Mbps/上り1Mbpsと、他社と同等である。

 ユーザー宅に設置するADSLモデムは、サービス開始当初は原則として、NTT東日本が用意するものに限定される。レンタルの場合は月額490円(電話と共用する場合)または月額440円(共用しない場合)。買い取りも可能で、販売価格については後日発表するという。ただし、ゆくゆくは互換性の確認された市販製品が出回ることも予想されるため、ユーザーが自分で用意することも可能になりそうだ。なお、契約料や工事費などの初期費用は従来通りである。

 現行の1.5Mbpsタイプのユーザーが8Mbpsタイプに移行するケースについては、契約料は新たに発生しないが、電話局側の工事料金(電話と共用する場合で2,800円、共用しない場合で2,000円)は改めて支払うことになる。また、ユーザー側のADSLモデムの交換も必要だ。具体的な移行手順については未定だが、工事予定日より前にADSLモデムを郵送しておくなどして、“空白期間”ができるだけ生じないよう配慮するという。

 なお、NTT西日本でも同日、フレッツ・ADSLの値下げについて同内容の発表を行なっているが、8Mbpsのメニューについては「近日中の提供に向けて検討しております」と示すに止まっている。まずは発表することを優先した東日本と、社内での最終的な詰めを完了させ、足場を固めた上で発表に移すことにした西日本とで、スタンスの違いが表われた模様だ。ただし、近く西日本でも正式に発表する見込みであり、サービス内容や開始時期についても東日本とほぼ同条件となるものと思われる。

 2社ではこのほか、「フレッツ・ISDN」の値下げと「Bフレッツ」のマンションタイプについて新プランを発表している。フレッツ・ISDNは、月額料金を100円下げて月額2,800円となる。

参考までに、これまでの料金の推移については、NTT、NTT東日本、NTT西日本の3社が25日に公表した「当面の経営課題に対するNTTの取り組み」の中に、グラフでわかりやすく示されている

 Yahoo! BBの“価格破壊”以降、国内のADSLサービスの相場が引き下げられており、フレッツ・ADSLの値下げは3度目になる。10月から実施した700円値下げの時点ですでに「採算ギリギリ」(NTT東日本の古賀哲夫取締役営業部長)と表現していたのが、今回の値下げにより、ここから先は「合理化で利益を出すレベルにまで来ている」という。フレッツ・ADSLでは別途ISPとの契約が必要になるため、Yahoo! BBなどの料金とまだ開きがあることについては、「Yahoo! BBの値段でやったら、うちは倒産する」と言い切る。

 価格面で他社を追いかける一方で、8Mbpsメニューの投入に至った経緯も注目される。8月末の時点で、このクラスの需要については、Bフレッツの10Mbpsメニュー(ファミリータイプ)で対応する方向性を示していたからだ。当分はブロードバンドコンテンツと言っても1.5Mbpsで十分と見ていたのが、「現実として、(8Mbpsを必要とするような)コンテンツが伸びてきている」という。しかし、Bフレッツの普及には時間がかかってしまうため、需要に対応するためにはADSLで「このクラスのメニューを出さないとダメ」と判断した。

 この方針は、今後のBフレッツの10Mbpsメニューの展開にも影響を与えそうだ。Bフレッツは政令指定都市までの拡大計画が発表済みだが、それ以降、10Mbpsメニューをどのように扱うかは、ADSLの8Mbpsメニューの「出方を見てから」検討するという。

◎関連記事
NTT東西、フレッツ・ADSLの月額料金を250円“だけ”値下げ
NTT東西、フレッツ・ADSLを月3,100円に値下げ~今度こそギリギリ?

(2001/10/25)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


INTERNET Watchホームページ

ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp