【ブロードバンド】

「NTT東西の電力不足について疑念を持たざるをえません」~イー・アクセス

総務省、NTTのコロケーション関連規約についての意見を公開

■URL
http://www.soumu.go.jp/s-news/2001/011121_5.html
http://www.ntt-east.co.jp/release/0110/011030.html
http://www.eaccess.net/jp/press/pdf/op011120.pdf
http://www.acca.ne.jp/information/opinion/011119/index.html

 総務省情報通信審議会は21日、NTT東西の「コロケーション及び光ファイバの保留期間の変更等」について、各事業者からの意見を公開した。意見申し込み事業者数は、イー・アクセス株式会社や株式会社アッカ・ネットワークス(以下アッカ)など12事業者だった。

 情報通信審議会が行なった意見募集は、NTTが10月30日に総務省に行なった「認可申請」を受けて行なわれたもの。この認可申請は、現在のDSLの普及状況などから、NTTの局舎内のコロケーション(ラックなどの通信機器設置スペース)やダークファイバーの保留期間に関して、有効活用するために「取り置き期間」を短縮する為のもの。

 今回の公表によると、意見を表明した12社中、ビー・ビー・テクノロジー株式会社と株式会社 アイ・ピー・レボルーションの2社のみが、明確に反対している。このことから、有限な素材であるコロケーションが、Yahoo!BBの大量予約申し込みで確保されており、他事業者が、この大量確保されたコロケーションを開放するように要求する意見を提出している構図が浮かび上がってくると言えよう。

 現状のNTT契約規約によると、予約申し込みは「早いもの順」であり、その予約申し込みが「不当に大量の申し込み件数」であっても、NTTは申し込み拒否などはできない。この規約によって、予約申し込みだけ大量にすることで、コロケーション確保だけ行なっておき、ラックや通信機器の設置を保留状態にしておくことが可能となるのだ。

 イー・アクセスの意見書によると、NTT東日本のビルの立入りを行なった際の状況は、「コロケーション用に割り当てられたスペースのうち、3分の2は40ラック分程度ラックを立てることが可能な空きスペースであるにもかかわらず、ラックも立っておらず、がらんとしていた。しかし、そのスペースはほとんどが大量の申込みをしたある事業者の予約で埋まっているとNTTは主張した」という。また、受電設備が予約で埋まっている状況に関して、「では『NTT東西自身も1年後の増設は不可能ということですか』という質問に対して、NTT東西が『そうです』と言いながら少しも心配してなさそうな表情を見て、弊社としては、NTT東西の電力不足について疑念を持たざるをえません」とも述べられている。

 また、アッカは、現在のコロケーションが確保されている状況に対して、「NTTのコロケーションスペース自体を広げる必要がある」ことと「現在確保されているコロケーション予約を、一度全て解除し『ラウンドロビン方式』にて公平に分配すべき」という。「ラウンドロビン方式」とは、事業者毎に2つのラックずつ確保していき、一巡したら、また2ラックづつ確保するという、言わばドラフト会議のような方式だ。

 このように、今回意見提出を行なった大部分の事業者は、「取り置き期間」を短縮もしくは、開放するような意見を表明している。イー・アクセスは「コロケーションを確保すること自体は問題ないが、その後通信機器を設置しないことは問題だ。確保数と回線利用率の比率が問題だ」と語っている。

(2001/11/22)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]


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