【イベントレポート】

各社がJava対応機器を展示~富士通はJava自動販売機を展示

■URL
http://www.melco.co.jp/(三菱電機)
http://jp.fujitsu.com/(富士通)

 携帯電話やPDAなどへのJavaの組み込みは進んでいるが、Javaのコンセプトの1つである「家電への組み込み」はまだまだ進んでいないのが実情だ。ここでは、「JavaOne」会場より、その中でも注目の展示を紹介する。

 三菱電機は、インターネット経由での家電制御機器を展示している。これは、Webブラウザーからエアコンを制御するというもので、電源の制御だけではなく、現在の室内温度もモニターできるようになっている。また、機器への組込用Webサーバー「TSUBASA」も積極的にアピールしていた。TSUBASAは、Javaの特性を生かし、モジュール構成になっており、必要に応じて機能を追加したり、CPUパワーやメモリーの少ない機器に対しては最小の構成にするといったことが可能だ。

 また、ここでは、電気の使用状況をWebブラウザーで監視できる「インターネット対応電力計」の試作器の展示も見られた。現在、各契約者の電力の使用量は、それぞれに備え付けられている電力計を直接チェックして収集している。この、インターネット対応電力計を使えば、リモートで電力の使用状況を収集することができるようになる。また、電力の時間帯別の使用状況を細かく分析して電力の需要計画を立てたり、電力需要が多くなったときは自動的にエアコンの温度設定を変更するなど省エネ対策としても計画されている。

エアコンの操作画面
エアコンの制御回路
Webブラウザーで電力計のステータスを表示。積算電力だけではなく、瞬時電流や力率も読むことができる インターネット電力計。左側に積んであるファンは電力計に負荷をかけるためのダミー

 

 機器への組み込みがしやすいというJavaのメリットを生かした製品としては、富士通ブースに展示してあった富士電機開発の「Java自動販売機」が挙げられる。従来、自動販売機のソフトウェアを変更するためにはハードウェア的な変更を加える必要があったが、Java自動販売機の場合、内蔵されたPHSを経由してソフトウェアの書き換えが可能となる。例えば、ジュースの値段をリモートで変更したり、新たな試みとして夜の売り上げが少ない時間帯はジュースの値段を下げたり、在庫が少なくなったらサービスマンにメールを送るといった事などが可能となる。商品の売り上げの詳細を販売店に送ることができるため、マーケティングに生かすことも考えられている。現在このJava自動販売機は実験段階にあるのが、実用化され次第、対応年数を超えた自動販売機から順次交換していきたいとしている。

Java自動販売機。中央にはLEDディスプレイが備え付けられており、表示は自由に変更できる JavaOneのために来日したマスコットキャラクターの「Duke(デューク)」。日本語も理解できるらしい

 

(2001/11/28)

[Reported by adachi@impress.co.jp]


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