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株式会社野村総合研究所(以下NRI)と総務省などは、ユビキタスメッセージ環境の実現を目指す電子ポストサービス「POSTUB」の社会実験を、2002年1月7日より開始すると発表した。これに先立ち「POSTUB」の無料実験モニター1万人を募集する。
「POSTUB」(ポスタブ)は“ポスト”と“ユビキタス”を合わせた造語で、企業や政府・自治体などがメッセージを電子ポストに送信すると、自動的にセキュリティ保護を行なったメールサーバーに保管され、受け取り側は電子メールや携帯メール、手紙、ファクスなど希望の方法で受け取れるサービスだ。メッセージは電子ポストサーバーに保存されるため、手元で保存しておく必要がなくなるほか、開封状況の確認も可能だ。また逆に電子メールを使えない人に、メールマガジンをファクスや手紙で送るといった使い方もできる。メッセージは通常の郵便物と同様、差出側(送信側)に料金がかかるため、スパムメールを抑制する効果も期待されている。
銀行の口座情報や保険関連など、個人情報に関する内容や証明などの通知でよく見かける圧着葉書(紙をはがして中に書かれた事柄を読むタイプの葉書で、一度はがすと再貼付できない)。この圧着葉書で送られる内容は、他人には見られたくない事柄が多い反面、こうした葉書をいつまで取っておくかも悩みどころだ。NRIでは、現在は圧着葉書で送付しているメッセージを「POSTUB」で送付することで、セキュアな電子ポストサーバーに保存され、メッセージがいつでも安全に閲覧できるとしている。また「小泉内閣メールマガジン」のような話題性の高いメールマガジンを、お年寄りなどにファクスや手紙で送るといったサービスも展開可能という。
今回、NRIと総務省に加え、日本信販、野村證券、日立キャピタル、ベネッセコーポレーション、まぐまぐなどの参加により、「POSTUB」の社会実験が行なわれる。この実験に参加する1万名の無料モニターを現在募集中だ。モニター参加には20歳以上でOSがWindowsのPCを利用していることが条件で、「POSTUB」のWebサイトから登録できる。実験は2002年1月7日~3月31日までで、期間中2度のアンケートへの回答と差出予定企業などから送付されるメッセージ(内容は企業により異なる)の受信・受け取りが必要となる。実験では電子メールと手紙のみの対応となる。NRIでは実験の結果とその後の検証を踏まえて、早ければ2002年夏頃での実用化を目指したいとしている。
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(2001/12/4)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]