【裁判】

米連邦裁判所、WIPOのドメイン名返還命令に従う義務なしとの判決

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http://www.ca1.uscourts.gov/cgi-bin/getopn.pl?OPINION=01-1197.01A

 米連邦裁判所は5日、ICANNの手続きによってドメイン名の返還を命じられたドメイン所有者に対し、ドメイン名を保持することを認める判決を下した。原告側の法律事務所が6日、明らかにした。この判決は、ICANNがドメイン仲裁機関として認定した世界知的所有権機関(WIPO)が2000年7月、米国人が所有していたドメイン名「corinthians.com」を、ブラジルの企業Corinthians Licenciamentosに返還するよう命じた裁定を覆すものとなる。

 WIPOの裁定に対し、最初のドメイン所有者は「ドメイン不法占拠防止消費者保護法」(ACPA)の下で不法占拠者ではなく、ドメイン名を返還する義務はないとして米連邦地裁に「宣言的判決」を求めていた。地裁は、WIPOの裁定を初めとするドメイン紛争は管轄外との判断を下したが、控訴裁判所は、原告がACPAに違反していないと立証できれば、連邦裁判所はドメイン名を返還する必要はないと決定できるとの判決を下した。

 ドメイン紛争を専門とする原告側のStephen H. Sturgeon弁護士は「これは重要な判決だ。ドメイン所有者がICANNの仲裁機関が下した裁定を覆せるという判例となる」と指摘。さらに、Mr. Sturgeon弁護士は「今後、ドメイン名を剥奪された所有者がドメイン名の保持を求めて多数の訴訟を起こすだろう」との予測を示した。

(2001/12/10)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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