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【サービス】

世界中のミュージシャンと“セッション”できる「ASTRO SESSION」
リットーミュージックが仮想の音楽スタジオサービス

■URL
http://www.astrosession.net/ (12月15日開設)

「ASTRO SESSION」のウェブサイト。ギターのフレーズやドラムパターンなどの素材が購入できるサウンドライブラリーも提供予定だ

 音楽関連出版社のリットーミュージックは13日、仮想の音楽スタジオ機能を提供するサービス「ASTRO SESSION」を15日より開始すると発表した。インターネット上に自分のスタジオを開設し、他のメンバーと“セッション”する感覚で楽曲の共同制作が行なえる。

 ASTRO SESSIONは、米Rocket Network社が提供中の「Studio Center」を日本向けにローカライズしたサービスだ。各メンバーが自分のパソコンに取り込んだ演奏データをサーバー上に転送し、他のメンバーがこれを聴きながら別のパートを重ね合わせていくという仕組みだ。残念ながらリアルタイムのセッションはできないが、インターネットに接続している環境であれば、離れた場所にいる同じバンドのメンバーに止まらず、世界中のミュージシャンと“セッション”しながら楽曲を完成させることができるわけだ。サーバー上のデータは、メンバー間だけにアクセスを限定できる以外に、広く公開して参加を募ることも可能。会員のプロフィールを登録するデータベースも用意されており、足りないパートがあれば、そのパートが演奏できそうな会員を検索することもできる。

 利用するには、専用の管理ソフト「Rocket Control」と、ハードディスクレコーディングができる音楽制作ソフトが必要となる。「EMAGIC Logic Audio Platinum」「STEINBERG Cubase VST」など市販のWindows/Macintosh用ソフトに対応しているが、無料で使える機能簡易版の「EMAGIC Logic Rocket」と「STEINBERG Cubasis InWire」も用意されている。Rocket Controlには、他のメンバーとチャットできる機能も搭載している。

 ASTRO SESSIONにスタジオを開設するには、有料の会員登録が必要。使用できるサーバーの容量によって6つのコースが用意されており、月額料金は8.95ドルからとなっている(米Rockt Networkの決済システムを使用/日本語解説付き)。なお、音声データは圧縮化され、更新されたデータの差分のみがやりとりされるようになっているため、56kbps以上の通信回線であれば利用可能だとしている(ただし、ADSLなどを推奨)。

 英語版のサービスはすでに約4万5,000人の会員を擁しており、U2などのプロミュージシャンや映画のサウンドトラック制作にも活用されているという。リットーミュージックでは今後、プロの“セッション”を公開して会員が参加できるようにするイベントや、ASTRO SESSION上で音楽の指導が受けられるラーニング事業も展開する予定だ。

(2001/12/13)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp