|
|
■URL
http://www.key3media.co.jp/Net-Life/
12月15日から16日までの2日間、パシフィコ横浜を会場にコンシューマー向けイベント「Net.Liferium 2001」が開催された。Net.Liferiumは、「インターネットが創る未来って何？」と「ブロードバンドインターネットで生活が変わるの？」をテーマに、今年初めて開催されるイベントで、生活に密着したインターネット家電などの展示が主だ。新技術やビジネスに重点を置いたインターネット関連イベントが多い中、Net.Liferiumは完全に「生活者」をターゲットとしており、会場では家族連れの姿が目立った。
展示会場は、「ブロードバンドインターネット入門＆インターネット電化製品コーナー」「趣味と生活のパビリオン」「ひろがるエンターテイメントゾーン」「IPv6 ShowCase」「モバイルブロードバンドプラザ」「インパク」の6つのゾーンに分けられている。今回はその中でも注目のIPv6 ShowCaseを中心にレポートをお伝えする。
今回のNet.Liferiumの目玉はなんと言ってもIPv6を使ったインターネット中継だ。倉木麻衣など6組のアーティストが大阪の「Hills パン工場」でライブを開催して、その模様をパシフィコ横浜をはじめとする全国5か所へIPv6を用いて中継するといったもの。中継機材は市販パソコンとIEEE1394インターフェイスを備えたビデオカメラを利用しており「特別な機材を利用しているわけではないので、将来的に一般家庭でも可能になる」（Net.Liferium実行委員長である村井純氏）という。DVD並の画質を確保しているためコマ落ちやMPEG特有のノイズなどは見られず、インターネットを経由していることは気づかないほどであった。また横浜の観客の映像や歓声を大阪へ送信してアーティストと話ができるなど双方向コミュニケーションも可能なことをアピールした。
この中継自体は、IPv4でも可能なものだが今回は主にアピールのためIPv6ネイティブ回線が利用されたといってもよかろう。なお、IPv6を利用した理由には、ライブ中継を多くの地点で行ないすべての地点で双方向のコミュニケーションが実現できるように開発を進める意図もあるようだ。
松下電器はIPv6スタックと液晶ディスプレイが搭載された冷蔵庫と電子レンジの展示を行なった。冷蔵庫にはボタンやタッチパネルなどは一切搭載されておらず、温度設定や製氷の開始などの操作は、電子レンジや携帯電話やPDAから設定できるようになっている。携帯電話やPDAからは、冷蔵庫のディスプレイにメッセージを送信するといったことも可能だ。また、冷凍室の温度を電子レンジが監視しており、解凍の際、加熱時間を自動的に設定するなど、家電同士の連携も実現されるという。
 |
 |
 |
|
PDAから冷蔵庫へメッセージの送信が可能 |
PDAから送信されたメッセージが冷蔵庫に表示されている |
IPv6スタックを搭載した冷蔵庫（右）と電子レンジ（左） |
ソフトフロントのブースでは、「IP電話機」がずらりと並んでいた。IP電話機とはVoIPを電話機単体で実現できる製品で、イーサーネットケーブルを接続する。IP電話機から一般の電話機へ通話は、インターネットと電話網の仲立ちするゲイトウェイを経由する。IP電話機には電話番号が割り当てていないため、一般の電話機からIP電話機への発信は今のところできないが、NTTや総務省などと調整を行ないIP電話機にも電話番号を割り当てるように働きかけているという。
 |
 |
| 近未来型IP電話 | 一般の業務用電話にIP電話モジュールを組み込んだもの。機能は左のIP電話と同等 |
今回のイベントはIPv6がもたらすインターネット生活を展示するのが1つの目的だった。インターネット冷蔵庫やIP電話のブースでは人が絶えず、IP電話は「定額制」、インターネット冷蔵庫と電子レンジはお互いの連携により「ユーザーの手間が省ける」とそれぞれ魅力的に捕らえられており、「IPv6」の言葉自体の意味は伝わらなくても家電がインターネットに接続した場合にどんなメリットがあるのか直感的に理解できたようだ。
◎関連記事
■キースリーメディア、IPv6によるインターネット・ライブを開催
(2001/12/17)
[Reported by adachi@impress.co.jp]