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【ドメイン】

多言語ドメインが来年春にも標準化へ
IETFのワーキンググループが最終案

■URL
http://www.i-d-n.net/ (IDN WG)
http://www.jdna.jp/ (JDNA)

 多言語ドメイン(Internationalized Domain Names:IDN)技術が、来春にも標準化される見通しとなった。検討作業を進めていたIETFのワーキンググループ(Internationalized Domain Names Working Group:IDN WG)が標準化案をほぼ固め、2002年1月中旬までに最終案としてとりまめられる予定となった。その後、IESG(Internet Engineering Steering Group)の承認を経て、早ければ2002年の春頃にもRFC化される。

 最終案は、1)非ASCII文字のACE(ASCII Compatible Encoding)処理をアプリケーション内で行なうという考え方「IDNA(Internationalizing Host Names In Applications)」、2)意味的/表示的に同じ文字列(大文字と小文字、全角と半角など)の表現形式を統一する「NAMEPREP(正規化)」、3)採用するACE方式「AMC-ACE-Z」──の3項目について策定される。

 日本語ドメイン名協会(JDNA)がアナウンスしたところによると、IDN WGで懸案となっていたいくつかの項目を「IDN WGのスコープ外」に置くことで合意が得られたため、議論が「大きく前進」したかたちだ。除外されたのは、1)統計情報を利用してACEの効率を向上させようという提案(Reordering)、2)中国語簡体字と繁体字の扱いなどに関する言語的要求(Localization)──の2項目である。「IDN WGのスコープはドメイン名(ホスト名)に使用可能な文字の拡張(ASCII以外の文字も使えるようにすること)であり、言語や文化といった観点はスコープ外であることが明確化された」としている。

 すでにサービスが開始されている多言語gTLDや日本語JPドメインは、ウェブブラウザーやメールソフトなどのアプリケーションが対応していないため、登録開始から数カ月以上も“塩漬け”状態が続いている。それがようやく標準化のめどが立ったことで、これまで様子見だったアプリケーションベンダーの多言語ドメイン対応化の動きも徐々に加速するものと思われる。JDNAでは今後、日本語ドメイン名の対応アプリケーション開発と普及を目指し、アプリケーションベンダーの参加を促していく考えだ。

 なお、多言語gTLDや日本語JPドメインにおいては現在、「RACE(Row-based ACE)」というエンコード方式が仮採用されている。一方、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)では、NAMEPREPやACEの機能を提供するツール「mDNkit」を開発・公開している。IDN WGの最終案とはACE方式が異なるものの、これらのツールを使えば、多言語ドメインでのウェブアクセスも可能となっている。さらに最近では、これらと同様にACE方式ではあるが、一部のウェブブラウザーでは多言語ドメインへの対応が開始されているという。実際、編集部が「Opera6.0」(日本語化ツールとの組み合わせ)で試してみたところ、日本語JPドメイン名のDNSが設定されている「セガ.jp」「高島屋.jp」「チョーヤ梅酒.jp」などでウェブアクセスできることが確認された。

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(2001/12/19)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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