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■URL
http://www.soumu.go.jp/s-news/2001/011226_3.html
総務省は、VoIPに関する研究会「IPネットワーク技術に関する研究会」の報告書の案を発表した。報告書では、音声品質の基準や既存の公衆電話網との接続を考慮してVoIP電話機にも電話番号を割り当てることに触れている。なお、報告書については広く意見を募集(締切1月23日)して、2月を目処に最終報告書をとりまとめるとしている。
報告書では、DSLやCATVインターネットなどによるブロードバンドアクセス網の進展、またそれに伴ってIP電話が一般サービスとして実用化してきた現状について触れている。また、通話品質について「ベストエフォートのサービスから固定電話と同等の品質を提供するサービスまで、多様な品質(マルチグレード)でのサービス提供が想定される」として、通話品質を明らかにすることは利用者がVoIPサービスを選ぶ上で重要な要素になるとしている。ここでは、具体的には数値で表現するのではなく、「携帯電話並み」「固定電話並み」「固定電話以上」などといった、従来の電話サービスとの比較が効果的だとしている。
次に、公衆電話網との接続と電話番号の割り当てについて触れている。VoIP電話にも「E.164」(ITU-T勧告で定められている、外国から着信も可能な15桁以内の電話番号)を割り当てる必要があり、現在のところ携帯電話やPHSに割り当てられているような「0A0」形式が有力だ。また、公衆電話網における電話番号とVoIP電話機におけるIPアドレスの相互変換も必要となり、方式としてはITUとIETFが導入を検討している「ENUM(Telephone Number Mapping)」があるが、現在のところ110番や119番などへの発信や発信者番号の通知ができないなどの課題が残っているという。今後の取組としては、品質評価方法などの標準化の推進、事業者用電話通信設備規則の見直しなどが予定されている。
なお、今後の課題としてはセキュリティーの確保が挙げられる。公衆電話網における電話番号はある程度信頼のおけるものだったが、それがIPに変わると改ざんの可能性があるため、課金の際に支障を来す恐れがある。また、輻輳に対する発信制限の仕組みも確立されていないのが現状だ。
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(2002/1/8)
[Reported by adachi@impress.co.jp]