【広告事業】

米IAB、インターネット広告の指標を定義するガイドラインを発表

■URL
http://www.iab.net/news/content/01_15_02.html
http://www.iab.net/admeasurementguidelines/register.htm

 インターネット広告に関する業界団体のInteractive Advrtising Bureau(IAB)は15日、Advertising Research Foundation(ARF)ら複数の広告団体と協力し、インターネット広告で使われる指標に関するガイドラインを公布した。ガイドラインは同団体のサイトで閲覧可能だ。このガイドラインに従うかどうかは自由だが、インターネット広告枠を売る方も広告を出稿する方も共通の土台を据えることによってメリットがあるものと考えられている。

 IABでは、ガイドラインを作る際にコンサルタント会社のPricewaterhouseCoopers(PwC)に6ヶ月にも及ぶ調査を依頼した。調査には、AOL、CNET Networks、Walt Disney Internet Group、Yahoo!ら著名サイトが参加した。調査によって、まずインターネット広告を販売する際に使用されるさまざまな指標が定義され、結果として5つの重要な指標である広告インプレッション、クリック数、ページインプレッション、合計ビジター数、ユニークビジター数が正確に定義された。

 これまではそれぞれの指標が異なった状況で使われることがあり、広告主にとって広告枠を買う際の障害となっていた。例えばバナー広告の表示回数は通常「インプレッション」とよばれるが、この数え方も一つではない。あるサイトではブラウザーからページリクエストがあるときにのみバナー広告が1回表示されたと数え、それを「インプレッション」と呼んでいるが、他のサイトではバナー広告出稿用の別のサーバーへのリクエストをバナー広告自体の「インプレッション」とカウントし、ページリクエストもまた「インプレッション」とカウントするなど、重複してカウントすることがあった。こうした場合に同じ状況であっても指標として現れてくる数字はサイトによって異なってしまう。これでは広告を出稿する側が提示された数字をもとにその値段の妥当性を判断することが難しくなってしまう。

 PwCは、調査の際に三つの目的を掲げた。それは、1)現在使用されている指標や計測慣行を調べること、2)業界で使われている指標がそれぞれどのように比較され得るものなのかを検討すること、3)業界全体として使用できる言葉の定義やガイドラインを提示すること。これらの調査はPwCに対して各出版社や業界団体が提出した計測データや商慣行をもとに行なわれ、その上でインタビューやテストが実施された。

 このガイドラインについてPwCのパートナーであるTom Hyland氏は「インターネット広告が大口広告主にとって欠かせないメディアの一つとなるにつれて、広告主たちはより大きなアカウンタビリティーを要求し始めている。それと同時にインターネット広告のプロセス、システムやデータの指標はより複雑になりつつある」とコメントし、今回のようなガイドラインの重要性を指摘した。

(2002/1/16)

[Reported by taiga@scientist.com]


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