【決算】

Yahoo!BBが売上の半数を占める~ヤフー、2001年第3四半期決算発表

■URL
http://docs.yahoo.co.jp/info/investor/jp/event/meeting/

 ヤフー株式会社は18日、2001年第3四半期決算を発表した。売上高は87億8,800万円(前年同期40億6,100万円)、純利益は16億1,100万円(同8億4,300万円)だった。サイト「Yahoo!JAPAN」は、オークションを中心に2001年12月に月間60億ページビューを達成したほか、9月12日には1日で2億6,000万ページビューを記録した。なお、決算説明会の様子は後日、オンデマンド形式で配信される。

 売上の52.5%(46億800万円)を占めたYahoo!BB事業は、2002年1月11日現在、本申込者数約50万人、工事済み局舎数1,155局舎、工事済み回線数約140万回線だった。実際にインターネットに接続できたユーザー数は約36万回線で、未だに開通せず待たされているユーザーが残っているという。井上雅博代表取締役社長によると、「開通までのプロセスの見直しを図った結果、申し込みから10営業日以内に6~7割のユーザーが開通するようになった」という。また、不評だったサポート体制も、スムーズに受けられるように改善されたとのこと。

 Yahoo!BBのインフラを利用したIP電話サービス「BB Phone」については、「開通までのプロセスで、前回と同じ失敗をしないようにシステムを構築している」と語った。現在、数百名のモニターが利用しており、「予定通り今春にサービスインできる」という。

 広告事業は、全体の売上の31.1%(27億3,500万円)だった。第3四半期の広告出稿会社数、および契約数は横ばいか増加していたが、一社あたりの出稿金額が小口化したため、2001年第2四半期よりも売上が減少した。売上が減少した要因は、大口企業の出稿金額が減少したことと、メール広告やサーチワードといった安価な広告が多く売れたからだという。また、業種別では、金融・保険、情報・通信といった広告が減少し、外食産業や人材派遣・求人などが増加した。井上社長によると「広告の出稿会社数の減少は前期で底を打ったと思う。ただし、純粋なドットコム企業は少なくなった」という。

 ヤフーでは今後、広告事業の施策としてFlashや動画、スカイスクレイパーといったリッチメディアを積極的に導入し、広告主のブランド認知商品の販売に注力するほか、サーチワードやYahoo!デリバーなどオンラインで完結できる効果直結型の広告を拡販する予定だ。ヤフーでは、これまでFlashを利用した広告を、インターネットユーザーの全員が閲覧できないとして実施しなかったが、Gif画像を代替バナーとして表示する技術を開発し、Flash広告の導入に踏み切ったという。井上社長は、「これら動く広告に対して、ユーザーからネガティブな意見はなかった」として積極的に利用していく方針だ。

 その他の事業部門では、コマース事業を新たな柱に据え、「イー・ショッピング・ブックス」や「たびゲーター」を子会社化した。これについて井上社長は、「従来展開していたYahoo!ショッピングは、Yahoo!のブランド力でモールに参加している店舗に対して集客を行なうエージェントとして機能していたが、これからは独自に小売も行ない、Amazon.comのようなスタイルに方向転換する」という。また、イー・ショッピング・ブックス以外のイー・ショッピングスについても「収益が上がると思えば、子会社化する可能性がある」と語った。

 井上社長は今後の展望として、「Yahoo!BB事業に関しては、DSLは意外と長生きすると考えている」という。その理由として、「現在2,000万人のインターネット人口のうち8割がダイヤルアップで接続しているので、Yahoo!BBのように『安くて速い』サービスに乗り換えるのが合理的」「次にFTTHが来るだろうが、しばらくは『速いけど高い』ので乗り換えないし、もっと速いDSL技術が開発される」「既存の設備を使うDSLと違って、FTTHでは、10万人、100万人単位で工事をすることが難しい」と述べた。なお、「現在Yahoo!BBの接続待ちをしているユーザーが少なくなったら、インターネット上でプロモーションを展開したい。インターネット以外の媒体については、その次の段階としてプロモーションをすることは間違いないが、時期は未定だ」という。

四半期売上推移 Yahoo!BB現状報告
月間広告件数推移 月間広告主数推移

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[Reported by okada-d@impress.co.jp]


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