【業界動向】

米連邦取引委員会、スパムに対する断固たる取り組みを発表

■URL
http://www.ftc.gov/opa/2002/02/eileenspam1.htm

 米連邦取引委員会(FTC)は12日、スパムに対する断固たる取り組みを発表した。この一環として、FTCは大量の虚偽メールを発信してネズミ講を営んでいた7人のスパム業者を摘発し、処分することを明らかにした。

 これらのスパム業者は、「リストの上位に載っている4~5人の参加者に5ドルずつ送れば、90日以内に4万6,000ドル以上得られます」などとするチェーンメールを発信していた。メールでは、新規参加者を獲得するため、自分自身の名前と住所を上位に記入し、最後の参加者を削除するとの説明も記載されていた。さらに5ドルを支払った参加者には、自分自身のチェーンメールを始める方法を説明した「報告書」が送られてきた。

 FTCは7人のスパム業者に対し、詐欺的なチェーンメールを使って売買などを奨励、宣伝、提供することを永久に禁止。また、詐欺的なマーケティングから得られる潜在的な利益や収入、激励、報酬などについての不当表示を禁止した。さらに、参加者から受け取ったお金を返還することを義務づけている。

 これらの処分に加え、FTCは依然としてこれらのチェーンメールに参加している2,000人以上に、警告文を発信する。FTCによると、同委員会のデータベースアドレス宛に、1日に約1万5,000通ものスパムが送られてきており、1998年以降に収集したスパムは800万通に上るという。

 FTCはまた、Washington Association of ISPやTexas ISP Associationを初めとするさまざまなISPの業界団体に対し、啓蒙活動を行なっていく。Washington Association of ISPには30社の、Texas ISP Associationには250社のISPが参加しており、違法なチェーンメールについて消費者に警告するためにFTCが作成した教育素材を公開して広げていく。

 FTCは2000年9月、1,000人のスパム業者に警告文を送り、このようなチェーンメールは違法であり、チェーンメールの奨励を止めること、ネズミ講の参加者から受け取ったお金を返還すること、チェーンメールを送った全ての相手にFTCの警告文を転送することを要求していた。さらに2001年10月には、違法なチェーンメールを探すため、ニュースグループとスパムデータベースを調査。その結果、チェーンメールに世界60カ国の2,000人が参加していたことが明らかになった。FTC調査官が囮のメールアカウントを使って、警告を発したにも関わらず詐欺行為を止めないスパム業者に5ドルを送ったところ、チェーンメールを始めるための「報告書」が送られてきたという。

(2002/2/13)

[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]


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