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■URL
http://www.apple.com/pr/library/2002/feb/12qt6.html
http://www.apple.com/pr/library/2002/feb/12qt_broadcaster.html
http://www.mpegla.com/
米Appleは12日、マルチメディア再生ソフトQuickTimeの最新版「QuickTime 6」の概要を発表した。新バージョンでは「MPEG-4」に完全対応している。MPEG-4は特に携帯機器へのストリーミング配信で標準規格となりつつある動画規格だ。同日に発表された配信サーバーの新版「QuickTime Streaming Server 4」と、新たに投入する「QuickTime Broadcaster」と組合わせて、同社初となるMPEG-4ベースのストリーミングメディアソリューションを提供する。
QuickTime 6の特徴は、MPEG-4動画の圧縮/伸長に対応する動画コーデックの搭載、音声フォーマット「Advanced Audio Coding(AAC)」への対応、自然言語再生用のMPEG-4音声コーデック「CELP」への対応、「Internet Streaming Media Alliance (ISMA) 1.0」への対応のほか、「MPEG-1」と「MPEG-2」の再生機能、「Flash 5」への対応、新たなユーザーインターフェイスの採用、スキップ防止機能の強化などが挙げられる。
Appleによると、QuickTime 6はすでに完成し、リリースする準備もできているものの、MPEG-4のライセンス条件が改善されるまでリリースを延期するとしている。MPEG-4関連特許のライセンス事業を行なう企業「MPEG-LA」が提案したMPEG-4のライセンス条件には、企業やコンテンツ事業者の特許権使用料の支払いが含まれている。Appleは、妥当な特許権使用料には同意するが、コンテンツ事業者がMPEG-4対応コンテンツを配信するために特許権使用料を支払う必要があるなら、市場で成功しないだろうと訴えている。
なお、同日発表された「QuickTime Streaming Server 4」は、MPEG-4のライセンスが不要のため、同社サイトで無料公開されている。新版では、MPEG-4に完全対応し、MPEG-4コンテンツのストリーミング配信が可能になったほか、「iTunes」や「QuickTime Player」「 WinAmp」などの再生ソフトへのMP3ファイルやプレイリストの配信機能、Webベースの管理ツールの強化、スキップ防止機能の強化などが図られている。
また、新製品の「QuickTime Broadcaster」は、インターネット上でイベントの生放送を可能にする製品。MPEG-4をはじめ、QuickTimeのコーデックに全て対応し、コンテンツをリアルタイムに取り込んで符号化できる。Appleはこれを無料提供する予定だが、QuickTime 6と同様、MPEG-4のライセンス条件が改善されるまでリリースを延期するとしている。
(2002/2/13)
[Reported by hiro@nakajima-gumi.net]