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【ブロードバンド】

自治体のFTTH補助金制度でマンションの光ファイバー化に弾み
~東京都荒川区~

■URL
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/topic/ftth/1.htm (補助金制度の概要)
http://www.haseko.co.jp/news/press/2002/syosai/0214.html (長谷工の発表資料)

 荒川区が昨年秋に開始した「光ファイバーによるインターネット接続補助制度」によって、区内の既存マンションにおける光ファイバー導入に弾みがつきそうだ。長谷工コーポレーションは14日、荒川区内にある同社グループ会社の管理物件1棟に、最大100Mbpsの光ファイバーによるインターネット接続が可能なソリューションを導入したと発表した。同制度を申請したマンションとしては第1号になるという。

 荒川区のFTTH補助金制度は、区内のFTTHサービス加入者に対して個人で最大3万円の初期費用を補助するというもの。事実上工事費が無料になるため、ADSLに比べて格段に初期費用が高いFTTHサービスへの加入促進が期待されている。また、集合住宅で光ファイバーを引き込むには管理組合の承認を得るプロセスがネックとなっているが、区が制度を開始したことで、入居世帯の理解も得られやすくなった模様だ。

 長谷工は首都圏と近畿圏において約34万戸の自社設計・施工物件を保有しており、これらの物件について高速インターネット化を推進しているが、管理組合の決議に至るまで通常3~4カ月程度かかるという。また、同社のソリューションは管理組合や非利用世帯の費用負担は一切なく、マンションにとってコスト的なデメリットがないのがセールスポイントだが、実際はインターネットを利用する世帯の中でも回線方式に対するニーズはまちまちである。もっと安価なソリューションを希望する世帯も当然あり、なかなか光ファイバーに一本化できないのが実状だったという。

 これに対して今回導入が実現したマンションの管理組合では、やはり当初は光ファイバーの導入は「結論としては、難しいのではないか」と言われていたものの、区の補助金制度により「一気に機運が盛り上がった」としている。荒川区では、他のマンションについても同様に年度末にかけて管理組合で決議にかけるマンションが増えると見ており、従来光ファイバー普及のネックとされていた既存マンションへの導入が進むものと思われる。

 なお、今回のマンションでは、建物まで100Mbpsの光ファイバーを引き込み、各戸へは最大100MbpsのEthernetケーブルで接続する方式をとっている。初期費用2万9,800円(補助金により事実上無料になる)、最大2Mbpsのコースで月額2,980円、100Mbpsのコースで月額3,680円となっている。提供にあたっては、おおむね2割以上の加入世帯があることが条件となる。

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(2002/2/15)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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