【実験】

NTT・日立・松下、光通信での次世代eコマース実現に向けて
共同研究を開始

■URL
http://www.ntt.co.jp/news/news02/0202/020219.html
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/2002/0219c/index.html

左から、NTT 鈴木 滋彦 取締役
日立 中村 道治 常務
松下 櫛木 好明 常務取締役

「HIKARIコマースサービス」のサービスイメージ

 日本電信電話株式会社(以下、NTT)、株式会社日立製作所(以下、日立)、松下電器産業株式会社(以下、松下)の3社は、光通信ネットワークの高速・広帯域の特性を活かしたネット家電向け次世代eコマース「HIKARIコマースサービス」の実現に向けて、共同研究を2月より開始することを発表した。

 今回の研究では、NTTが「光ネットワーク」、「商空間運用機能」、「情報プラットフォーム」、日立が「コンテンツ配信性能を向上させたサーバーシステム」、松下が「光通信に対応したネット家電」をそれぞれ担当するという。研究の目的は、「HIKARIネットワーク」、「サーバーシステム」、「ネット家電」のそれぞれの能力を相互に補完できるプロトコルを開発することだ。このプロトコルは、4月の時点で各家電メーカー等に仕様を公開し、デフォルト・スタンダードを目指すという。このプロトコルが完成することにより、クライアントとサーバー間でリソースを相互に補完しあえる関係が構築できるようになり、光通信時代の新しいeコマースのビジネスモデルの構築が可能だという。

 日立は、「現在の配信システムのままだと、光通信時代の高速なコンテンツ配信に対するボトルネックとなるのは、サーバーのコンテンツ配信能力だ」と語り、今後自社で開発した大規模ストリーム配信向けの専用カーネルを利用した技術「Tactix」を提供していくという。松下は、デジタルテレビ開発を促進し、ユビキタスネットワークの一環として、デジタルテレビを利用した動画カタログや、動画オークションなどを実現していくという。これらのサーバーとクライアントを結びつける場として、NTTが光ネットワークを提供する。

 NTTではこのプロトコルを利用するメリットとして、「現在使われているプロトコルでは、光通信時代に十分に対応できない可能性がある。100Mbpsの通信環境のなかでは、クライアントとサーバーが相互にリアルタイムでリソースを割り当てる事が可能であり、且つ重要だ。リソースの足りないネット家電があったとしたら、一時的にサーバーリソースをその家電に割り当てることにより、そのネット家電だけでは再生できなかった動画の表示などが可能となる。ユーザーは、わざわざ高価なシステムを購入する必要がなくなる」と語った。

 3社が提供する「HIKARIコマースサービス」では、三次元空間によるeコマースを利用できる場として、一般ユーザー向けに「Visual Shopping環境」を提供し、ビジネスユーザーへはそれらのeコマースを提供する構築環境「Visual Showcase 環境」を提供していくという。「Visual Shopping環境」では、PCやデジタルテレビ等をクライアントとして利用し、ウィンドウショッピング機能や動くカタログ機能を持たせるほか、商品を自由に動かせるインタラクティブな環境を提供するという。また、「Visual Showcase 環境」では、カタログ登録ツールや、三次元空間を使った商品登録・陳列ツールを提供する。

 3社は、このプロトコルに関して約8ヶ月の研究期間を設け、同時にこれらの機能検証に協力する家電メーカーなどを募集する。これらの検証終了後は、本格的な「HIKARIコマースサービス」の提供を目指すという。

(2002/2/19)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]


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