【事業展開】

アルク、「スペースキャンパス構想」を発表、「英辞郎」関連も積極展開

■URL
http://www.alc.co.jp/ (スペースアルク・英辞郎on the Webもここから)
http://member.nifty.ne.jp/eijiro/ (英辞郎)

アルクの平本照麿社長
EDP代表の道端氏
 株式会社アルクは、英和・和英データベース「英辞郎」の100万語突破および書籍発売と、同社のインターネット事業の今後の展開を発表した。2005年をメドに知的コミュニケーションポータル「スペースキャンパス」を立ち上げる方向という。

 「英辞郎」はプロの翻訳者・通訳者集団「EDP」(Electoric Dictionary Project)が10年以上前から制作を続ける英和・和英辞書データベースで、アルクではこれをWebサイトから利用できる「英辞郎 on the Web」として1998年より提供、現在1日約60万ページビューの人気コンテンツに成長している。今回は「英辞郎」の収録語数100万語突破と、CD-ROM付き書籍の発売、さらに「英辞郎 on the Web」のリニューアルが発表された形だ。
 書籍発売記念の発表会では、EDP代表の道端秀樹氏も登場し、英辞郎の現状を解説した。道端氏は「翻訳者や通訳者は、それぞれ自分が仕事で使った言葉や表現を集めた単語ノート的なものを持っている。ある意味、各人の宝だといえるその単語ノートを何人分も集めれば、凄い辞書ができるのではないか」という発想から、英辞郎の作業を開始したという。現在EDPには20数名の翻訳者・通訳者が在籍し、それぞれ仕事で使った表現や語句はもちろん、普段の生活やテレビ・ラジオなどで使われる言葉なども積極的に取り込むことで網羅性を高めている。現在の収録語数100万語は、これまで最大と言われていた「Oxford English Dictionary」の62万語よりさらに多いが、「理想では1,000万語が必要で、今の状態で作業を進めると、あと75年かかる(笑)」(道端氏)という。
 初期はパソコン通信によるデータのダウンロード提供や、データ収録CD-ROMの実費送付で展開していたが、1998年に「英辞郎 on the Web」を公開してからユーザーも急激に増加したため、今回CD-ROM付き書籍としてアルクから販売することになった。書籍には英辞郎のデータのほか、Win・Macの検索ソフトを同梱し、英辞郎のCD-ROM版・Web版を含めた活用方法などをまとめている。定価は1,800円(税別)。

 また4月中旬をメドに、Web版の「英辞郎 on the Web」のリニューアルも行なう。現在はラジオボタンで英和・和英を選択して検索する形だが、リニューアルではこのステップをなくし、入力した言葉から自動的に英和・和英を判断して結果を表示する。また“前方一致”“部分一致”などの検索オプションの追加や、和英検索結果に表示される英単語をリンク化し、多くの選択肢から最適な訳語を探し出せる機能も加える予定だ。

 さらにアルクは、今後の展開として「スペースキャンパス構想」を発表した。現在同社の語学教育・留学情報サイト「スペースアルク」へのアクセスは1日130万ページビューを超えるが、「スペースキャンパス構想」はこれをさらに発展させ、ユーザー個々の特性を主体にした新たな知のコミュニティポータルの展開を目指すものだ。具体的には、まず2002年内に「MyALC」(マイアルク)を立ち上げる。“コミュニケーション・アシストサイト”というコンセプトで、一人一人の目標やスキル、性格、環境をもとに、パーソナライズしたカウンセリングや情報提供、学習方法の提案・提供を行なうサイトだ。個人が最適な学習を行なえるのはもちろん、このサイトを通じて自らWebを使った授業を提供もできるという。第一段階として現在のスペースアルクユーザーに無料で提供する方向だ。
 さらに2005年をメドに、“コミュニケーションに関する生涯ポータルサイト”「スペースキャンパス」を提供する方向も明らかにした。現実社会での枠に関係なく、知識の交換や学習、研究、仕事ができ、また成果を公開できる場として機能するサイトとしているが、具体的な機能はまだ明らかになっていない。

英辞郎on the Webの新旧バージョンを比較
「マイアルク」のサンプル画面

(2002/2/26)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]


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