【事業計画】

マイクロソフト、「.NET」戦略の日本における取り組みを発表
開発者コミュニティーや教育分野での取り組みなど

■URL
http://www.web-event.ne.jp/netday/
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/030802ineta.htm
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/030802xml.htm


米Microsoft社Vice President
Tom Button氏

 マイクロソフト株式会社主催によるWebサービス開発者向けセミナー「.NET Day 2002」が横浜パシフィコにて開催された。セミナー開催に伴い来日した米MicrosoftのVice PresidentであるTom Button氏が8日、「.NET」に対する取り組みに関する記者会見を行なった。

 同氏は「GUI以来の変革」「次の10年間の大きな変革に期待する」と、「.NET」とWebサービスは同社や業界にとって重要なテーマであるとアピールした。また、米国の金融機関であるMerrill Lynchのコールセンターへの「.NET」の導入事例を紹介した。Merrill Lynchが「.NET」を導入した目的は、複数のコールセンターの電話番号を1つにまとめて保留や利用不可の状態をなくすことで、そのための技術的な課題として「複数プラットフォームの統合」「完全な耐障害性」「顧客入力での遅延の最小限化」などが挙げられるという。

 次に、日本における取り組みとして、国内の「Visual Basic(VB)」開発者を「.NET」ベースにシフトさせるための戦略が発表された。これは、トレーニングプラグラムの提供や関連書籍の充実を図り「.NET」への移行を促すというもので、マイクロソフトでは、4月15日に設立される「.NET」開発者コミュニティー「International .NET Association Japan(INETA Japan)」を支援する。INETA Japanは現在、アクセス メディア インターナショナル株式会社内に事務局準備室を設置しているが、マイクロソフトでは、同組織に対し「.NET」技術情報や各種セミナーへの講師の派遣などを行ない、開発者を支援する。同社としては、プログラマーはもちろんのこと、特にシステム設計者に「.NET」の良さを理解してほしいとしている。

 また、国内各企業の「.NET」への取り組みも発表された。インテル株式会社が普及に向けたホスティング、コンサルティング、開発ツールの3分野による開発者支援するほか、東芝テック株式会社が「.NET」に対応したアプリケーションサーバー「CrossMission」を発売する。また、株式会社オービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」で「.NET」に対応、株式会社クボタが人事業務などでユーザーとしての「.NET」導入を進めていることが明らかにされた。

 さらに、教育分野では大学のカリキュラムの一環として利用できるライセンス「MSDN AA(Academic Alliance)」を4月1日より提供すると発表した。ライセンスの形態としては、学科・研究所ごとの年間契約となり、料金は11万8,000円となる。これにより、所属する学生・研究者や教授に対して、.NET関連の最新ソフトウェア、新たな教育カリキュラムの設立の支援、プログラミングコンテストなどが提供される。

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(2002/3/8)

[Reported by adachi@impress.co.jp]


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