【裁判】

P2Pファイル交換の「KaZaA」がオランダ音楽業界に勝訴
利用者と技術開発者を明確に区別

■URL
http://www.kazaa.com/
http://www.bumastemra.nl/

 P2Pファイル交換サービスのKaZaAは28日、オランダの音楽著作権団体Buma/Stemraとの間で争われていた控訴審で勝訴したことを発表した。両社の間では2001年11月29日にアムステルダム地裁で下された「KaZaAがその中で行われている著作権侵害に対するすべての責任を有しており、それら著作権侵害を止めるための適当な措置をとらなければサービスを継続してはならない」との内容の判決を覆すものとなった。

 この控訴審判決では「KaZaAが著作権法に違反していると判断した地裁に対して、KaZaAは当然の権利によって控訴した。これまでKaZaAによって可能とされた著作権侵害事例における行為はすべてその利用者によって行なわれたもので、KaZaAによってではなかった」と述べられた。

 これについてKaZaAはプレスリリースの中で「テクノロジーの開発者はそれを使って利用者が何をするかに関して責任を問われることはないということはこの判決から明らかだ」と判決内容を解説した後、「これはKaZaAにとって重要な勝利であるだけでなく、インターネット全体にとっての勝利だ」とコメントした。

 しかし一方、昨年11月のアムステルダム地裁での判決の結果として、KaZaAはそのほとんどの資産をオーストラリアのSharman Networksに売却されてしまっているため、KaZaAのCEO、Niklas Zennstrom氏は「確かにKaZaAにとってこの判決は遅すぎた」とも述べている。

 この判決は、Napsterに関して下された米国での判決と結論を異にするものだ。Napsterの場合Napsterネットワークにおいて著作権侵害が行なわれないという確認がとれるまで業務を停止することが求められた。その根拠としてはNapsterが純粋なP2Pではなく、ネットワークに接続するユーザーを結び合わせるための“中央サーバー”が存在することがその理由となった。一方、KaZaAの場合、クライアントソフトウェアが一度ユーザーのPCの中インストールされてしまえば、彼らが何をしようがそれを防ぐ方法がないと主張したことで、この裁判の判決に注目が集まっていた。

 現在、「KaZaA」のほか「Grokster」や「Morpheus」(いずれもファイル交換ネットワーク「Fasttrack」を利用)が、それぞれ米国の音楽業界や映画業界から提訴されているが、そうした裁判に今回の判決が与える影響が注目される。

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(2002/3/29)

[Reported by taiga@scientist.com]


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