【新製品】

米Caw、Webサイト機器の評価製品を日本向けに本格展開

■URL
http://www.caw.com/

WebAvalancheの外観
 ネットワークインフラ関連の技術を持つ米Caw Networks(以下Caw)は、日本での本格的な展開を発表した。
 Cawは1999年11月に米国で創業し、現在はネットワーク機器の評価試験用アプライアンスの開発・製造を中心に展開している。同社によれば、以前はネットワーク帯域がインターネットサービスのボトルネックだったが、高速回線の普及でこれが変化し、現在はむしろボトルネックはWebサイト(ルーターより内側の機器)という。このため、従来の回線を想定した設計ではさばけないほどのトラフィックがスイッチ類やWebサーバーなどに集中し、最終的に機器障害が起こってサービス停止する、という状況が珍しくないと指摘。こうした状況を改善するために、ネットワーク機器やWebサイト全体の評価を行な製品を開発したという。

 Cawの主力製品である「WebAvalanche」(ウェブアバランチ)は、ネットワーク機器やWebサイトの性能測定のため、1秒間に100万コネクション、および20万トランザクションという高負荷な状態での試験環境構築を可能にする。従来は数十台のPCを接続しないとこうした試験環境はできなかったが、アプライアンス1台で、さらにGUIによる設定が可能なことで、短い時間で多数の試験や評価が可能になったという。同社のJohn Dunham氏は「よく100万コネクションもいらないのではと聞かれるが、評価試験で自信を持つのには、これくらいのキャパシティがあるほうがいい。さらに可能な限りの高負荷を与えることで、システムの限界も知ることができる」と説明。また米「Forbes」誌のサイトでは、「世界の富豪100人」(Forbes誌の人気企画)の特集を掲載する際に、Webサイトにアクセスが集中することが予想されたため、事前に「WebAvalanche」でテストを行なった。その結果、ルーターやOSなどに問題が見つかり対処できたため、結果としてネットワーク機器にコストをかけずにアクセス急増に対応できたという。「WebAvalanche」の価格は550万円~。100台までのWebサーバーを連動した試験が可能な「WebReflector」という製品も展開しており、こちらは700万円~。

 Cawでは2001年から代理店を通じて日本市場への展開を行なっており、すでにNTTデータや野村総合研究所など数社へ納入し、約2億5,000万円を売り上げているという。2002年度は年内の株式会社設立を目標に、日本での展開を行なう予定で、IPv6や携帯電話関連など、日本先行の技術に対応した開発やサポートにも対応する方向だ。

(2002/4/2)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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