【通信業界】

KDDI、コロケーションサービスに特化した「渋谷データセンター」の稼働を開始

■URL
http://www.kddi.com/service/business/datacenter/main.html

 KDDI株式会社は4日、コロケーションサービスに特化した「渋谷データセンター」を報道陣に公開した。既にJPIXなど複数の業者と契約を結んでおり、間もなく稼働を開始する予定だ。

 KDDIの渋谷データセンター(東京都渋谷区青葉台)は、京王井の頭線神泉駅より徒歩7分、JR渋谷駅より徒歩15分の位置に立地している。建物はデータセンター専用として建設されたもので、地上14階地下1階の高層棟、地上3階地下1階の低層棟に分かれており、総床面積は約1万5,000平方メートル。震度7まで耐える耐震構造と防火対策を備えている。

 特徴として床下に広いフリースペースを確保していることが挙げられる。通常の30~40センチよりも深い60センチとなり、通信回線や電力線の配線が容易だ。また、スペースは各種機器の冷却にも使われるため十分な冷却能力を確保できるという。さらにフロアの天井は、通常のデータセンターよりも高くなっている。

 電源は東京電力より66kV×2系統を受電しており、1平方メートルあたり1kVA(ラックあたり2kVA)の電源容量を保証している。停電時は、まずUPS電源に切り替わり、その後ガスタービン発電機が作動するといったバックアップ体制も整っている。都内にあるほかのKDDIのデータセンター(新宿、大手町、お台場)とは、光ファイバーでループ型に接続。データセンター間を同一セグメントとして接続することも可能だ。

 コロケーションサービスとしては、フロアを貸し出す「オープン・コロケーション」、ラックを4分の1単位で貸し出す「ラックコロケーション」、6ラックをセットで貸し出す「ケージ・コロケーション」などが提供される。ゲージ・コロケーションは、貸し出されたラックを施錠付きゲージ(柵)で囲い、よりセキュリティーを高めたサービスだ。

 KDDIでは、データセンターに特化した建物は、出入りする人が限られているためより高いセキュリティーが保てる、設計段階からiDCを想定しているためスペースが広く取れるなどの利点があるという。

「10年に渡るデータセンター事業の実績を集結した」と語るKDDI ソリューション商品開発部長である山根哲也氏

ゲージ・コロケーションのスペース。柵でラックを囲んでいる

床からの侵入を防ぐためフリースペースにも柵を設置している

柵に付いている鍵。ICカードキーなどに変更することも可能だ

地下にあるガスタービン発電設備。電源容量4MVA×3機が用意されている

各フロアに設置された電源盤。別の系統からの電力をもう1機の電源盤で利用できる

土などのゴミをデータセンター内に入れないように、靴にはカバーが必要

 

(2002/4/4)

[Reported by adachi@impress.co.jp]

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