Books.or.jpは当初、検索処理件数を月間10万件で想定していたが、実際は月間60万件の利用がコンスタントに続いているという。その結果、システムに大きな負荷がかかり、従来は1件検索するのに300秒もかかっていた。リニューアル後は、想定アクセス数を大幅にアップし、1件1秒で検索できるようにした |
日本書籍出版協会の書籍情報検索サイト「Books.or.jp」が16日、全面リニューアルした。ネット書店のウェブサイトと連携することで、検索した書籍をオンラインで購入しやすいように配慮したほか、携帯電話やPDAからの利用にも対応した。
連携したネット書店サイトは、Amazon.co.jp、イーエスブックス、紀伊國屋書店、ジュンク堂書店、クロネコヤマトのブックサービス、ブープルドットコムの6社。Books.or.jp内の各書籍の情報ページから、ネット書店各サイト内の該当書籍ページへの直接リンクが追加されている。従来のBooks.or.jpでは、書籍情報は閲覧できるものの、出版元のウェブサイトでオンライン販売されていない書籍についてはユーザーがあらためてネット書店サイトで検索しなければならなかった。
一方、携帯端末への対応は、リアル店舗における利用を想定したものだ。例えば携帯電話上でBooks.or.jpの検索結果を表示し、ISBNコードなどの情報をそのまま店員に見せることでリアル店舗での購入や注文がスムーズになるとしている。なお、携帯端末向けのサービスには、マイクロソフトの「Microsoft Mobile Internet Toolkit」により、.NET技術が活用されているという。
Books.or.jpは1997年9月、低迷が続く出版市場の活性化を目的としてスタート。現在、凸版印刷に運営・管理が全面委託されており、約60万件の書籍データが提供されている。ただし、データベースの運用にも多大なコストがかかっており、「商用サイトとしてやらなければたちいかない」(同協会書籍DB委員会委員長の佐藤隆信・新潮社社長)状況となってきているという。
今回、ネット書店とのアフィリエイトやバナー広告事業を開始することで利益を生みたい考えだ。国内における2001年のネット書店市場を約200億円と見ており、1年後にそのうちの1%のシェアを獲得するのが目標だ。
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(2002/4/16)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]