■URL
http://www.instat.com/press.asp?ID=186&sku=IN020170LN
無線LANによる音声通話ができる携帯電話が市場に普及しつつあり、将来的には大きなビジネスになる可能性があるとの調査結果を米調査会社In-Statが23日発表した。国内でもホットスポットの設置が進み、モバイル通信を行なうための無線LAN環境に注目が集まると同時に、3G携帯電話の成否にもつながり得ることから、今後の動向が注目されている。
In-Statの調査によると、無線LANによる音声通話(Voice over Wireless LAN=VoWLAN)市場は教育、医療、小売業の3分野に進出しており、2002年には8万セットが出荷されるものと予測される。2001年の出荷数が2万台だったためこれは著しい増加といえる。また、VoWLAN携帯電話の出荷数は2006年に50万セットを超えると予測している。
In-Statの調査によると、現在VoWLAN携帯電話を販売しているのはSymbolとSpectralinkの2社だけだ。この2社はPBX、無線LAN、LANテレフォニーベンダーと提携しているが、この提携関係による売り上げがほぼ100%を占めている。2社とも802.11b技術の普及とLANテレフォニーシステムへの需要増加に業績を後押しされている。今後の動向として、音声通話の品質確保にはQoS(Quality of Service)機能が不可欠。Spectralinkでは、独自のQoS機能を既に備えているが、VoWLAN携帯電話の普及にはQoSを標準規格として備えている802.11e規格の批准が不可欠であるといえる。
この調査結果についてIn-StatのアナリストBrian Strachman氏は「この市場は著しく増大することが予測されているものの、現在のところ教育、医療、小売業市場以外に無線LAN音声通話に対する大きな需要はない。VoWLANベンダーは、もしこのソリューションを実装するのに十分簡単でしかも安ければ、結果としてこの伝統的な三つの分野以外に道を切り開くことができるだろうと考えている」と指摘した。またIn-Statの別のアナリストGemma Paulo氏は「VoWLANに対する需要が増加するにつれて、より多く、そしてより大きいベンダーがこの市場に参入することが予測され、結果としてVoWLAN携帯電話の値段を下げ、VoWLAN携帯電話はビジネス環境のメインストリームになるだろう」と普及へのシナリオを描いた。
(2002/4/24)
[Reported by taiga@scientist.com]