【ビジネスシヨウ 2002 TOKYOレポート】

NTT東日本、無線LAN接続サービス「Mフレッツ(仮称)」などを展示

■URL
http://bs.noma.or.jp/
http://www.ntt-east.co.jp/

 5月21日、東京ビックサイトにて開幕した「ビジネスシヨウ 2002 TOKYO」にて、NTT東日本は最大通信速度11Mbps対応の無線LANインターネット接続サービス「Mフレッツ(仮称)」や「付加価値型コンテンツ配信プラットホーム(仮称)」を参考出展した。


自分で能動的に設置できる唯一のホットスポットサービス~NTT東日本

 「Mフレッツ」は、IEEE802.11bに準拠した最大通信速度11Mbps対応の無線LANインターネット接続サービスだ。サービス利用者は、ホストユーザーとエンドユーザーに分けられており、両者とも「Bフレッツ」や「フレッツADSL」などの既存のフレッツサービスに加入していることが利用条件となる。現在の予定では、第1四半期中に正式発表を行ない、東京などで試験サービスを実施したのち、正式サービスを開始する予定だ。なお、エンドユーザーの料金は、月額1,000円以下になる予定だという。

 エンドユーザーは、NTT東日本が用意する接続用ソフトをPCにインストールした上で、USB接続の認証機器「認証キー」をPCに差した状態で接続する。この接続ソフトと認証キーをあわせて利用することによって、「Mフレッツ」ユーザーであることを認証し、認証が終わったのち、通常のプロバイダーへの接続画面に移ることになる。「Mフレッツ」におけるエンドユーザーのメリットとしては、自宅で使用しているインターネットへの接続設定を変える事無く利用できる点だろう。


NTT東日本「Mフレッツ」ブース

USB接続の認証機器「認証キー」

 一方のホストユーザーは、無線LANのホスト基地局として、無線アクセスポイントを設置し、ユーザーに接続ポイントを提供する。エンドユーザーは、自宅では既存のフレッツサービスを利用し、外出先ではホストユーザーが用意した無線アクセスポイントを利用してインターネットに接続することになる。なお、参考展示されていた無線アクセスポイントは、定価13万8,000円となっていたので、ホストユーザーは10数万円程度の出費でアクセスポイントを設置できることになる。

 NTT東日本担当者によると「ヤフーのサービスでは、無線アクセスポイントまでの工事をヤフー側が行なわなければならないので、ホストユーザーが自分で好きなように設置することが難しいが、Mフレッツならフレッツ回線が来てさえいれば、簡単に自分で設置が可能だ」としている。

各社から参考出展された無線アクセスポイント

CiscoSystems製

メルコ製

Enterasys製

Intel製

 また、ホストユーザーは、エンドユーザーの接続設定によって制限等をかけることも可能で、「喫茶店などで、顔なじみの客にだけ接続が可能なように設定することもできる」(NTT東日本)という。

 NTT東日本では、「気軽に無線アクセスポイントを設置することができる付加価値サービスとして、喫茶店など人が集まるところに導入を提案したい。現在、百数十万のフレッツユーザーが居るので、アクセスポイントさえ充実すれば、爆発的に広がるだろう」としている。

○ブロードバンドにも対応したコンテンツ管理サービス

 ほかには、NTT東日本とNTTサイバースペース研究所の共同参考出展として、「付加価値型コンテンツサービス」が展示されていた。現在は、試験サービスの意味合いで関連企業と詳細を詰めている段階であり、夏頃に正式発表が行なわれるという。

 「付加価値型コンテンツサービス」は、ユーザーが既に持っているコンテンツをNTTがデータセンターで管理し、さらに付加価値サービスとして、コンテンツ管理や課金・認証、著作権管理までを行なうサービス。既存のコンテンツを持っていない場合でも、ゼロからユーザーの望むコンテンツを作成するサービスまで視野に入れているとのこと。対象とするコンテンツの内容としては、主に社内向けのもので、具体的には社員教育コンテンツや社内ニュースなどを挙げた。

 このサービスの特徴としては、コンテンツ管理などの付加価値サービスを、既存のコンテンツに付加できる点だが、その中でも特徴的なのは「類似映像検索サービス」や「必要情報の自動抽出・表示サービス」だ。

 「類似映像検索サービス」の特徴は、動画なども検索対象となっている点と、検索キーワードに関連し、尚且つ類似する情報を検索することが可能な点だ。例えば、検索窓に「観光スポット」と入力すると、エジプトのスフィンクスやパリのエッフェル塔などの「観光スポット」に関連したり、類似する動画や画像が表示され、さらに条件によって絞ることなどが可能だ。


「付加価値型コンテンツサービス」説明

閲覧用クライアントの一例

 NTT東日本では、「ブロードバンド対応ソリューションというと、映画や音楽などのコンテンツを想像することが多いが、このサービスではあまり映画などのコンテンツを対象としていない。既にコンテンツを持っている企業が、現状よりさらにそのコンテンツを有効利用してもらうことが目的だ。当社のサービスを利用して付加価値を得ることによって、今まで眠っていた社員教育マニュアルや社長の訓示などを再度有効活用することなどが可能だろう」としている。

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(2002/5/21)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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