【海外動向】

仏通信規制局、無線LANサービス向けに2.4GHz帯域開放へ

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http://www.art-telecom.fr/communiques/communiques/index-110602.htm

 仏通信規制局(ART)は11日、2.4GHzと5GHzの周波数帯での無線LAN使用について規制緩和措置をとると発表した。規制緩和実現により、仏国内における屋内外での公共無線LANサービス提供が可能になる。

 2.4GHz・5GHz帯の周波数を利用した無線LANサービスは、インターネット常時接続のためのラストワンマイルやホットスポットへの活用で利用が拡大している。このうちホットスポット利用にあたっては、周波数帯域が軍事利用されていることもあり、国防省との調整が一つの焦点となっていた。そこで今回、屋内利用の出力と屋外利用の可否、および可能である場合の出力をどのようするかが調整された。

 その結果、2.4GHz帯域(2,400MHz~2,483.5MHz)において、室内利用については送信電力10mWの出力を限度とし、そのうち2,446.5MHzから2,483.5MHzの間は100mWも可能とすることで合意された。原則として室外利用は許可しないこととなったが、2004年からは、パリを含む特定市街地では、2.4GHz帯域の全帯域で室内利用を100mWまで認め、室外利用についても10mWの出力までは認める案が出された。この特定市街地は、全地域の約4割弱にあたる38県が対象とされており、2003年初めにも正式決定される予定だ。いわゆる欧州標準とされる、全帯域で室内外問わず100mWまでの出力の許可については、5GHzの帯域の開放とともに今後の課題となった。なお、既存のネット網ではほとんど通じない地域で、2.4GHz帯域を利用した公共実験を行なうことも併せて発表された。

 今回の規制緩和措置は、欧州委員会および欧州連合(EU)加盟国からの通告を受けたもので、通信担当大臣の認可が必要になる。ARTは、6月末に開催予定の次回の放送通信委員会でこの周波数帯域の規制緩和措置を提案する予定だ。

(2002/6/13)

[Reported by Gana Hiyoshi]

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