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ITを“まちづくり”に活用しようという「サイバータウンプラン」を推進する大口町。まず初めに取り組まなければならないのが、ブロードバンドインフラの整備だった |
愛知県大口町は20日、ブロードバンド利用世帯に月額1,000円を補助する制度の概要を決定した。今後詳細を詰め、9月分より実施する予定だ。
大口町ではすでに今年度予算において、2,722万円を「地域情報化推進事業補助金」として割り当てており、これがブロードバンド補助金に使われる。来年度も継続される予定で、2004年3月分までが補助の対象となる。ADSL以上のブロードバンドサービスを利用している住民に対して、1世帯につき1回線分まで補助される。ただし、同町では現在、CATVインターネットやFTTHは提供されておらず、今のところ該当するサービスはADSLだけである。
大口町は昨年12月、ソフトバンクグループと共同で、Yahoo! BBのADSLインフラを利用したIP電話サービス「BBフォン」の実験に参加することを発表。今年に入って町内全域で試験サービスが展開されていた。当初の予定では、BBフォンが商用サービスに移行する5月頃をめどに、BBフォンの月額料金を補助する制度を開始し、2年間程度は住民が無料でBBフォンを使えるようにする考えだった。実は今回のADSL補助金に使われることになった地域情報化推進事業補助金も、BBフォンの補助金を想定して組まれていた予算である。
ところが今回発表されたブロードバンド補助金の概要では、BBフォンに限らずADSLサービス一般が対象となるという。もちろん、ADSLサービスの一種であるBBフォンのみに加入している世帯も対象となるわけだが、補助金は一律1,000円。BBフォンの月額料金である1,080円はほぼカバーできるものの、“無料”にはわずかに及ばない。
その一方で、補助金の対象がYahoo! BBやNTT西日本のフレッツ・ADSLにも拡大されたため、逆に住民の選択肢は増え、他のブロードバンドサービス利用者との“公平性”も確保されたわけである。
それでは、なぜ大口町が当初、BBフォンという一通信事業者の特定のサービスを推進しようとしたのか? そして最終的には、その補助金制度の対象を検討し直すことになったのか? これには、ソフトバンクグループと協力するに至った背景や、同町の通信サービス事情を考える必要がある(以下、後編)。
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(2002/6/21)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]