国際宇宙ステーション |
株式会社IHIエアロスペースは4日、国際宇宙ステーション(ISS)にメールなどのメッセージを保管するサービス「STARMAIL PILOT PROJECT」を発表した。ここでは、宇宙からメールを配信する「スターアニバーサリー」と、ISSに日記などを保管する「スターダイアリー」が提供される。
「スターアニバーサリー」では、まず専用サイトでメッセージや送信先・期日を受け付ける。集まったメッセージはCD-ROMに記録され、ロケットでISSへ打ち上げられる。その後、指定した期日になると宇宙からメールが送信されるという仕組みだ。送信されるメッセージには、ISSから撮影された地球の写真が添付されるほか、ISSが目視できる時間や方角を知らせるメールや、打ち上げ証明書が発行される。
申込期間は7月7日から10月31日まで。CD-ROMの打ち上げは2003年1月から2月頃で、メール配信日は2003年3月から2004年2月までが指定できる。メッセージは400字までで、料金は1回につき3万円だ。なお、申込みが3,500人に達しない場合はサービスを実施しないとしている。
一方の「スターダイアリー」は、CD-ROMに記録した日記やポエムなどの著作物をスターアニバーサリーとISSへ打ち上げ、約1年間宇宙に保管する。ISSは、-1.5等星から2等星の間の明るさで「星」として目視できる。天気がよければ、明け方か宵に自分のメッセージが乗った星が見られるというわけだ。申込期間などのスケジュールや料金、付加サービスはスターアニバーサリーと同様で、メッセージは1万文字までとなる。
このサービスは、宇宙開発事業団(NASDA)が公募した共同研究から選定されたもので、IHIエアロスペースでは「宇宙を身近に感じるためのサービスとして企画した」としている。また、宇宙を利用するサービスは、ロケットの打ち上げの失敗や採算の面からリスクや課題が多いものの、利用者の要望が多ければ2回目以降も行なうとしている。
HIHエアロスペースは、石川島播磨重工株式会社の関連企業で、宇宙開発部門に特化する形で2000年に独立した。現在は、ISSにおける実験モジュール「きぼう」の開発などを進めている。
(2002/7/4)
[Reported by adachi@impress.co.jp]