【NetWorld+Interop 2002 TOKYOレポート】

屋外利用の実用化が見えてきた5GHz帯無線LAN
日本独自の新周波数に対応するチップセットが登場

■URL
http://www.interop.jp/jp/exhibition/wifi.html
http://www.atheros.com/news/AR5001J.html
http://www.nec.co.jp/press/ja/0207/0203.html

Wi-Fi Zoneには、アセロスやNECのほか、テキサス・インスツルメンツなどのチップセットメーカー、ソニー、メルコ、インテルなどの無線LANシステムベンダー、ホットスポット事業者のNTTコミュニケーションズなど13社が出展している

 今年のN+Iでは、ベンダー各社がIEEE 802.11a準拠製品を多数展示している5GHz帯の無線LANシステムだが、さらに屋外利用可能な製品の開発も進んでいるようだ。アセロス・コミュニケーションズとNECから、近く開放予定の新周波数にも対応するチップセットが登場している。

 アセロスでは、2.4GHzのIEEE 802.11b/11gと5.2GHz帯のIEEE 802.11aという3つの規格すべてをサポートするデュアルバンドチップセット「AR5001X」を紹介。これを搭載したアクセスポイントやPCカードのリファレンスボードを展示していた。

 さらに同社では、日本独自の周波数帯として屋外利用が解禁予定の5GHz新周波数帯に初めて対応したというチップセット「AR5001J」も発表している。AR5001Xの機能に加えて、対応する周波数帯として4.9~5.0GHzと5.030~5.091GHzが追加されるとともに、IEEE 802.11aにはない10MHz幅や5MHz幅の狭帯域チャンネルもサポートする(IEEE 802.11aのチャンネルは20MHz幅)。アセロスのチップセットは、IEEE 802.11a準拠製品を発売している国内の無線LANシステムベンダーにも採用されており、今後はAR5001J採用製品も期待できそうだ。

 なお、アセロスが展示ブースを構えているのは、無線LAN関連の製品を集めた「Wi-Fi Zone」というコーナー。ここには、アセロスのチップセットを採用しているソニーも出展しているが、実際に5GHz帯の新周波数に対応した無線LANシステムを発売するかどうかは動向を見てからになるとしている。

 一方、NECでは、NTTアクセスサービスシステム研究所と共同で新周波数にも対応したチップセットを開発。これを搭載した屋外フィールド試験用アクセスポイントも開発済みだ。IEEE 802.11aにも準拠しているため、既存の5.2GHz帯無線LANカードとの相互接続性も確認されているほか、2.4GHz帯のIEEE 802.11bにも対応している。新周波数対応のデュアルバンド対応アクセスポイントは、9月の発売予定となっている。

アセロスのAR5001Xチップセットを搭載した無線LANカードのリファレンスボード 屋内向け新周波数にも対応したNECのデュアルバンド対応アクセスポイント

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(2002/7/4)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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