【NetWorld+Interop 2002 TOKYOレポート】

「ShowNet Cafe」で体験も可能

年々加速していく「ShowNet」
~バックボーンを全て10Gイーサネットで構築

■URL
http://www.interop.jp/jp/shownet/shownet.html

 展示会場内の各出展社ブースやコンファレンス会場を最先端の技術を使って接続するネットワーク実験「ShowNet」が今年も実施されている。

 今年の特徴としては、バックボーンが全て10Gイーサネットで構築された点、昨年の9.6Gbpsをさらに倍速にしたOC-192(STM-64)回線×2回線の合計19.2Gbpsで接続されている点、IPv6とIPv4が全く同じトポロジーで構成される完全なデュアルスタックネットワークで設計されている点、ファイアウォールの使用をやめてIDSでの監視に変更した点などが挙げられる。

 複数のIXを経由して会場に引かれた19.2Gbpsの回線は、会場中に拡散されて配置されている8ヶ所のPOD(Pedestal Operation Domain)に引かれており、そこから各ブースなどに引かれている。1~8ホールは上部から垂れ下がる形で配線され、9~11ホールは地面に配線されている。これは、会場の形状や実験的な意味合いも込めた仕様だという。

天井へと伸びるケーブル類
IPv4とIPv6のデュアルスタックを可能にしている機器

 それぞれのPODは、外部接続とブースとの中継点という役割以外にも、セキュリティー機能や電源管理などの機能も持っている。今年の「ShowNet」では、ファイアウォールを設置しておらず、これではセキュリティー的に問題があるのではないか?という疑問が出てくるが、セキュリティーをファイアウォールではなくIDSのパケット監視によって行なっているのだ。もちろん、10Gイーサで流れているパケットを全て監視することは難しいので、怪しいと思われるパケットを特定し監視を行なっているという。

インターネットとブースを接続する機器。ギガビットイーサや光ファイバーで接続がされている。 下部の3台が、セキュリティー機能を提供する機器。一番上が負荷分散を行ない。下2台がIDS機能を担っている。

 担当者によると、PODにおいて、毎年最も苦心しているのが「熱対策」だという。特注のラックに収められた世界最高水準の機器は、「ShowNet」の19.2Gのネットワークを処理するためにフル稼働している。しかし、常温常湿で管理されているデータセンターと違い初夏に開催されるN+Iの会場では、空調が効いているものの20数度になっている。外温が30度の場合、ラック内は80度を超えるという。なお、PODには専用の温度計が備えられており、対策がとられている。

 N+Iの会場では、実際にこの最先端ネットワークを実体験できる「ShowNet Cafe」や、「ShowNet」を解説付きで回るツアーなどが用意されている。ツアーはホール3の2階で30分毎に受け付けを行なっているが、毎回25名の定員制で人数が多い場合抽選となるので注意が必要だ。

(2002/7/4)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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