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http://www.interop.jp/jp/heisai/softbank.html
カゼをひいて体調はあまりよくなかったという孫正義氏。しかし、薬の副作用(?)のせいで、逆に講演の内容は過激な表現も飛び出すほど熱いものに |
3日、「NetWorld+Interop 2002 TOKYO」と併催されたイベント「SOFTBANK COMMERCE Convention 2002」で、同社代表取締役社長の孫正義氏が「通信革命~ソフトバンク・グループが取り組むブロードバンド戦略」と題して講演した。
孫氏はまず、日本のブロードバンド加入世帯数や加入比率が韓国や米国を下回っていながらも、月間の増加率ではこれらを抜いて1位になったことについて、その理由は、ナローバンドのダイヤルアップ接続よりもADSLによるブロードバンド常時接続のほうが安いためであると指摘。「日本がいつから世界一ブロードバンドの安いクレイジーな状態になったのか、私があえて言わなくてもわかるだろう」として、Yahoo! BBが登場したことの重要性を力強く示唆した。
さらに孫氏は、Yahoo! BB以降に追随してきたブロードバンド各社に対して、同社が優位性を保っていくための戦略を示した。それは、ブロードバンドのインフラ、プラットフォーム、サービス/コンテンツの3分野で「ナンバーワンになる」ことである。
例えばこの「思い」は、通信速度において、最大1.5Mbpsが一般的だった時代に8Mbpsを最初に投入したのに始まり、「他社では単に発表だけに止まっている」と指摘する12Mbpsサービスについて、すでに同社では3月から極秘に試験に着手。回線状況に応じて3種類の通信モードを自動的に切り替える対応モデム(「カメレオン」という開発コードだったという)も開発済みだということにも現われているだろう。なお、今週から募集を開始した12Mbpsのモニター募集では、2日間で予定数の3,000名をオーバーしたとし、うまく進めば数万名規模に拡大する考えだ。
また、IP電話サービスについても、Yahoo! BBではBBフォンとして標準で提供されているということで、サービス分野で優位性があると強調する。今後は、保守・運用サービスなども含めた法人向けのIP-VPNサービスも本格的に開始することも明らかにしており、サービスのラインナップの充実を図っていくという。
さて、BBフォンでも提供されているが、ADSLモデムとVoIPのターミナルアダプターを一体化し、いざというときには一般のアナログ電話回線に切り替える仕組みのコンボモデムは、孫氏が今から4年3カ月も前に特許を出願していたものだという。このようにADSLが普及するはるか前から着目し、実際、孫氏自身がブロードバンドのキラーアプリケーションの一つと位置づけるIP電話だが、実は「ボイスはブロードバンドのおまけに過ぎない」という。今後、映像をオンデマンドで配信する時代になれば、「ボイスのパケット量は誤差の範囲」に過ぎなくなるとの理由からである。
しかし、どうやらこれは、これまで回線交換による音声通話サービスで大きな利益を獲得してきた既存キャリアが、今後ネットワークのIP化を推進しようとしていることに対する牽制の意味もあるようだ。空気を吸うのにお金を払う必要がないように、オールIP化されたブロードバンドサービス(実際、Yahoo! BBなどのバックボーン網は世界でいち早くそれを実現したのだという)に加入すれば、音声通話は無料で提供されてしかるべきということらしい。
(2002/7/4)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]