【団体】

フリーソフトウェアに関するNPO団体「FSIJ」が活動を開始

■URL
http://www.fsij.org/

 特定非営利活動法人(NPO)「フリーソフトウェアイニシアティブ」(以下、FSIJ)は10日、法人設立手続きを完了し、会員の募集を開始すると発表した。フリーソフトウェアに関する団体としては日本初となる。

 FSIJは、約3年半の準備期間を経て2002年6月17日に法人登記を行なっており、7月10日より開始する参加会員の募集をもって、実質的な活動開始となった。理事長には、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授の井田 昌之氏が就任し、副理事長や理事には、日本で唯一のリナックスカーネルへの貢献で知られる新部 裕氏や日本リナックス協会代表の鵜飼 文敏氏などが名を連ねる。

 FSIJの主な活動としては、ソフトウェア技術の啓発や開発者・利用者の支援や、フリーソフトウェアに関する情報収集と発信、データベースの構築と発信などを行なう。この中でもデータベースの構築は重要だとしており、理事長の井田氏は「データベースの構築により、今まで海外から『日本のフリーソフトウェアの実態が見えない』という意見に応えることができるようになる」と語っている。

 また、米Free Software Foundationなど海外のフリーソフトウェア団体とも連携を図り、具体的には10月に日本で国際シンポジウムを開催するという。

 通常フリーソフトというと、「無料」や「著作権放棄」などが連想されるが、これは全くの誤解だという。FSIJでは、米Free Software Foundationの創設者Richard Stallmanが定義した以下の4点を、フリーソフトウェアの定義として採用するという。

1:目的を問わずプログラムを実行する自由
2:プログラムがどのように動作しているか研究し、必要に応じて修正を加え取り入れる自由
3:身近な人を助けられるよう、コピーを再頒布する自由
4:プログラムを改良し、コミュニティ全体がその恩恵を受けられるよう、改良点を公衆に発表する自由

但し、「これらはあくまでも、目安であり厳密でなければならないというものではない。例えば、Windows向けのフリーソフトを開発している人間がソースコードを公開しない場合でも、当団体に参加するにはなんの問題もない」(井田氏)とのこと。FSIJの会員の対象となるのは、学生・個人や団体などとなっており、年会費は4,000円からとなっている。会員特典として、開発者等のコミュニティーやシンポジウムへの参加や、フリーソフトウェアの相互利用、データベース構築への参加などが可能になるという。

 フリーソフトウェアに関するNPOの活動意義として、井田氏は「今まで、UNIX系の分野においてはボランティアで活動する人々がかなり存在し、功績を築いていった。しかし、継続的に活動を行なうためにはやはり法的に認知された正式な団体としての『形』が必要だと実感した。これが、今回のNPO設立に至った経緯だ。また、政府・行政、企業活動の二つの柱に対して貢献できる第三の軸を持つことが、産業構造の変革の中でも重要だと認識している。FSIJではそれを担えることを目標としている。これには、開発者と利用者が共通して共有できるコミュニティの成立と連携が重要だ」と語った。

(2002/7/10)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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