【イベントレポート】

ワイヤレスP2Pの利用方法は、まだ模索の段階~スカイリー・ネットワークス

■URL
http://www.ric.co.jp/expo/wj2002/

 「ワイヤレス・ジャパン2002」に出展している株式会社スカイリー・ネットワークスのブースでは、さまざまなワイヤレスP2Pサービスが展示されている。これらには、IEEE802.11bおよびBluetooth搭載のPC、PDA、家電機器などにマルチホップ通信機能やアドホック・ネットワーク機能を組み込むためのソフト「DECENTRA」が利用されている。

 スカイリーのブースで目立つのは、“たまごっち”型のBluetooth端末「ガジェッティ」だ。ガジェッティは、モノクロ液晶モニターとカーソルキー、ボタン2つ、携帯電話との接続コネクターを装備したデバイスだ。デバイスそのものは2002年4月に発表されていたが、実際にアプリケーションを搭載したデモ機の公開は今回が初めてとなる。

 このガジェッティに息を吹き込んだのは株式会社ナムコで、すでに他のプラットフォームで提供している相性占いアプリケーションをガジェッティ用に「Bluetooth Lovers」として移植した。このアプリケーションでは、誕生日と血液型、性別を入力することで、電波の届く範囲にいる異性の端末と通信し相性占いができる。デモ会場では、他にもBluetooth機器が数多く出展されていることもあり、うまく相手の端末を見つけられない時もあったが、軽快な動作を見せていた。

 スカイリーの梅田英和CEOによると、「商用化の予定は未定だが、ナムコのテーマパークのキャラクターを利用させてもらっていることから、ナンジャタウンなどで使ってもらえればいい。現時点では、コンセプトモデルの域を出ていないが、今後ユーザーが面白いと思えるような機能、例えば相性が100%の場合だけメールアドレスを交換できるといった仕掛けも追加していきたい」とのことだ。

●ワイヤレスP2Pの利用方法は、まだ模索の段階


 株式会社内田洋行が提案しているワイヤレスP2Pアプリケーションは、ショッピングモールでの商品検索やプッシュ型の広告配信ができるシステム「Dowxing(仮)」だ。これもBluetooth端末に組み込むアプリケーションで、ユーザーが探している商品名を入力すると5ホップ(およそ50メートル)以内の店舗のデータベースを検索し、取り扱い店名や価格などを返信するもの。ただし、まだ開発段階で、実際のデモでは検索結果が返ってこなかった。

 ネットイヤーグループ株式会社では、IEEE802.11bを利用したP2P型インスタントメッセンジャー(IM)「901IM」を提案している。認証部分やバディリスト(友達リスト)の管理は中央サーバーが行なうが、ホットスポットなどの同一エリアにいるユーザー同士はP2Pでメッセージをやり取りすることが可能。「901IM」の特徴は、同一エリアにいる友達のバディリストを閲覧し、見知らぬ友達の友達とメッセージのやり取りができることだ。ネットイヤーグループでは、「従来のIMでは、友達との距離感が感じられなかった。そこで物理的な距離が近いほど楽しいコミュニケーションができるIMを提案したい」という。想定しているエリアとして、カフェや似たような趣味・関心を持つ人々が集まるような場を挙げている。しかし、同一のエリアといえばせいぜい半径100メートルの範囲であり、「新しい友達がきたよ」という存在通知は面白い試みだが、わざわざIMでコミュニケーションする必要性には疑問が残る。ネットイヤーグループでは、「P2Pアプリケーション開発の経験を積む側面と、実際に動くアプリケーションでワイヤレスP2Pの可能性を提示したいという側面がある。P2Pの面白さがユーザーにきちんと伝わるためにさらにブラッシュアップしていきたい」としている。

◎関連記事
スカイリー・ネットワークス、Bluetooth対応の携帯機器を開発(ケータイWatch)

(2002/7/17)

[Reported by okada-d@impress.co.jp]

ほかの記事はこちらから

INTERNET Watch編集部internet-watch-info@impress.co.jp
Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved.