【行政】

杉並区、住基ネットについてのWeb投票を区のサイトで実施

■URL
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/top.asp
http://www.vote.co.jp/

「一問投票箱」のページ
 住民基本台帳ネットワーク(以下、住基ネット)の稼動が8月5日に迫ったが、運用や法制度などのプライバシー保護措置が万全でないことから、導入を不安視したり、延期を求める声が出始めている。そうしたなか、東京・杉並区は区のWebサイト上で、住基ネットについて意見を求めるWeb投票を開始した。

 杉並区は山田宏区長を中心に、住基ネットについて早い時期から疑問を投げかけていた。2001年9月には住基ネットの乱用を防ぐ独自の条例「住基プライバシー条例」(住民基本台帳の個人情報保護に関する条例)を可決、住基ネット稼動と同時に施行することが決定している。またこの7月10日には、弁護士、学者などで構成する区長の私的諮問機関「住基ネット調査会議」の設置を発表、8月2日に予定している中間報告の内容によっては、住基ネット離脱も視野に入れる方向という。

 こうした流れから、現在杉並区のWebサイトで、住基ネットに関する意見募集コーナーを設置し、区民からの意見を募集している。募集はクリック式のWeb投票型アンケート「一問投票箱」、意見を書き込める「電子掲示板」、区長へ直接意見を送信する「区長への手紙」の3つの形態があり、好きな形を選んで投票・投稿が可能だ。杉並区広報課によれば、「区民が住基ネットについてどう思っているかを掴むもので、住基ネットへの対応については、8月2日の中間報告の内容を踏まえる形となる。ただ、区民への住基ネットの周知率があまりに低い、また不安が非常に高いなどがWeb投票などから判明した場合は、対応を考慮することになるだろう」という。現在、杉並区サイトのお知らせ欄で告知するほか、トップページに特製バナーを設置し、市民へ意見募集を呼びかけている。投票は杉並区在住・在勤者を対象とし、二重投票を防ぐ仕組みも取り入れている。

 なお杉並区は、今年2月にも窓口サービスの評価を問う「一問投票箱」を設置し、話題となっていた。投票システムはいずれもVOTEジャパンの提供となる。不安の声が高まる住基ネットへの区民の意見が、区政にどう影響するのか、注目されるところだ。

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(2002/7/18)

[Reported by aoki-m@impress.co.jp]

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