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http://www.worldcom.com/about_the_company/press_releases/display.phtml?cr/20020721
米長距離通信大手のWorldComは21日、本社と米国子会社を対象とし、米ニューヨーク南部地区破産裁判所に米破産法11条の適用を申請したと発表した。同社は6月末、38億ドルにものぼる不正会計処理が発覚したことから、Nasdaqでの取引を停止していた。WorldComの経営破綻は米市場最大規模となる。同社は破産法の適用申請により、再建計画を進めながら、通常通りに業務を続けるとしている。
またWorldComは、最大20億ドルの事業再生融資(DIPファイナンス)を受けることで合意を得ている。このうち、7億5,000万ドルについては、米Citibank、JP Morgan Chase BankおよびGeneral Electric Capitalから既に確約を得ているという。これらの資金は、破産裁判所の承認を得て、破産法に基づく再建手続き中、キャッシュフローの補充に用いる予定だ。
破産裁判所の承認が得られれば、WorldComはこの資金を活用して、新たな経営戦略や財務再建、債務の削減、バランスシートの改善などに焦点を絞りながら、通常通りに業務を続ける予定。この新たな流動資金により、新サービスに対する料金や社員の給料など、日常業務に関する支払い義務を果たせるとしている。
WorldComのJohn Sidgmore社長兼CEOは「破産法11条により、債権者には可能な限り最大の価値を、当社社員には雇用の確保を、顧客には最高品質のサービスの提供を今後も継続できる。我々は再建手続きによって財務の健全性を回復し、可及的速やかに破産法11条の保護から脱出したい」とコメントしている。
WorldComは当面、会社清算という最悪の事態を避け、破産法の下で再建を目指すことになる。しかし、WorldComは旧UUNetを傘下に納めるなど、米国バックボーンの4割近くを保有しているため、今後万一にも清算ということになれば、インターネットに与える影響は測りしれない。
なお、日本法人ワールドコム・ジャパンによると、国内のサービスについては今後も通常通り提供されるとのこと。
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(2002/7/22)
[Reported by 江藤浩幸]