【通信業界】

鷹山、PHSを用いたIP電話サービスなどを発表

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鷹山代表取締役社長の高取直氏

 株式会社鷹山(ようざん)は26日、PHSを用いたIP電話サービス「ワンプライス・キャリングフォン・サービス」、固定網によるIP電話サービス「Web Distributor」、無線LANやPIAFSを用いた定額の接続サービス「Bit Stand」などの新サービスを発表した。鷹山は、2001年12月に日本テレコムよりポケットベルサービス「東京ウェブリンク(現マジックメール)」を、2002年7月には東京通信ネットワーク(TTNet)より「東京電話アステル(現アステル東京)」を相次いで買収、通信事業に新たに参入した会社だ。

 鷹山ではまず2002年の秋から、アステル東京で利用している基地局のIP化に踏み切り、作業が完了した時点でPHSを用いた定額通話サービス「ワンプライス・キャリングフォン・サービス」を開始する。キャリングフォンは、PHS端末から基地局までをPHS方式で接続して、基地局からバックボーンまでをIP化することにより、従来のPHS端末でも定額通話サービスが利用できるサービスだ。定額の対象は、アステル東京のユーザー同士のみとなる。今後は、他のIP電話サービスとの相互接続も進めるとしている。

 また、ADSLやFTTHなどのネットワーク網を利用したIP電話サービス「Web Distributor」も開始する予定だ。Web Distributorでは、IP電話アダプターを利用して通常の電話機とインターネット網を接続する形になり、アクセスラインを問わずに利用できるのが特徴だ。26日に行なわれた発表会の会場では、コードレスホンとPHSに対応する端末でデモを披露。1台の端末が、自宅や職場ではコードレスホンとしてWeb Distributorを経由、屋外ではPHSとしてキャリングフォンを経由した接続となり、それぞれ定額で利用できることをアピールした。

 さらに、無線による定額のデーター通信サービスも展開する。まず、9月29日よりIEEE802.11b(最大2Mbps)を用いた接続サービス「Bit Stand」の実験を都内にて開始する。アクセスポイントは、アステル東京の基地局に併設する形になる。Bit Standは、ポケットベル網を利用したワンタイムパスワードの認証・課金サービス「Bit Key」を採用するのが特徴だ。実験は主にトラフィックや利用傾向の分析を目的に、早稲田、高田馬場、新宿、渋谷をエリアとして、12月頃までを目安に進められる。また、PHSを用いた定額接続サービスの実験も10月から開始する。エリアは東京都板橋区の一部で、300人程度を予定。接続には、PIAFSの64kbpsを利用する。

 鷹山代表取締役社長の高取直氏は同社の事業展開について「第3世代携帯電話(3G)の機器メーカーとして展開していたが、通信業界の動向を見ると交換機からIP通信への移行が進んでいる。そのため3G事業から撤退して、IPを中心とする通信事業者に転換した」と語っている。


鷹山のサービス体型のイメージ図

(右)IP電話アダプター、(奥)IP電話アダプターに接続されたコードレスホン対応の電話機、(中央)PHSとコードレスホンに対応した端末。屋内では内線電話として、屋外ではPHSとして利用できる

 

(2002/8/26)

[Reported by adachi@impress.co.jp]

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