【調査結果】

「音楽CDが売れない原因はインターネット上の海賊行為」
~RIAAが調査報告

■URL
http://www.riaa.org/PR_story.cfm?id=552

 米レコード協会(RIAA)は26日、「インターネットなどを使った音楽の海賊行為が音楽業界に与える影響が増大している」との調査報告を発表した。調査では、それらによる海賊行為が、音楽CDの販売減少を助長しているとの強力な証拠が得られたとしている。

 米PricewaterhouseCoopersの調査によると、2002年上半期には、音楽CDの出荷枚数が7%減少する一方、押収した海賊版CDの枚数が69.9%も増加した。上半期におけるCD出荷枚数の減少率は、昨年1年間の5.3%を上回っている。両者の調査により、CDの販売が減少を続けていることと、インターネットにおける“音楽の窃盗”が音楽事業にとっていくらか良いことだとする意見を否定する結果が得られたとしている。また、米Peter D. Hart Research Associatesが2002年5月、インターネットを利用する12~54歳の音楽ユーザー860人を対象に実施した調査によると、多くの音楽をダウンロードしているユーザーは音楽の購入枚数が少ないことがわかった。

 ファイル交換サービスを使ってダウンロードしている楽曲が過去半年間に増えたと答えたユーザーの中で、CDの購入枚数が減少したと答えたユーザーは41%にのぼり、増加したと答えたユーザーはわずか19%だった。ダウンロードしている楽曲が変わらないと答えたユーザーの中では、25%は購入枚数が減少し、13%は増加、62%は変わらなかった。また、ダウンロードしている楽曲が減少したと答えたユーザーの中では、22%は減少、23%は増加、55%は変わらないと答えている。

 インターネットを利用する若年の音楽ユーザーのうち35%は、よく知らないアーティストについては、ファイル交換サービスからまず楽曲を無料でダウンロードして聴いていると回答。これら若年ユーザーの中で、よく知らないアーティストのアルバムをまず購入して聴いていると答えたのはわずか10%に過ぎなかった。

 RIAAは、このような不正なファイル交換サービスを利用するユーザーの行為により、音楽の販売が減少していると非難。100万枚以上売り上げたCDタイトルは、2001年半ばには37タイトルだったが、2002半ばには20タイトルに減少している。音楽の出荷ベースでは、2001年上半期の4億4,280万本から2002上半期には3億9,810本へと10.1%減少。金額ベースでは、2001年上半期の59億3,000ドルから2002上半期には55億3,000ドルへと6.7%減少している。

(2002/8/27)

[Reported by 江藤 浩幸]

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