【業界動向】

トヨタ、携帯電話不要の車載端末向け情報ネットワークサービス

■URL
http://g-book.com/(9月1日開設)
http://www.toyota.co.jp/News/2002/Aug/nt02_092.html

 トヨタ自動車は28日、車載端末向け情報ネットワークの新サービス「G-BOOK」を今秋より開始すると発表した。専用の車載データ通信モジュール(Data Communication Module:DCM)を用意したのが特徴で、ユーザーが自前の携帯電話を用意することなく利用できるようにした。DCMはKDDIのCDMA2000 1xのインフラを利用しており、最大通信速度は144kbps。車載用ということで、振動に強く、トンネルなどで通信が切断された際の接続保持機能を備えたモジュールをKDDIやデンソーと共同で開発した。

 G-BOOKで提供されるコンテンツ/サービスは、レストランなどの周辺情報、地図や音楽データの配信、車両の位置情報の送受信、車両トラブルの救援など。開発環境をオープン化することでコンテンツ/サービス企業の参加を促していく考えで、すでに50社近くが提携を予定している。車載端末のほか、PCやPDA、携帯電話用の専用ブラウザーソフトも用意しており、ユーザーがあらゆる場所で利用できるようにした。将来は、ネット家電との連携も予定しているという。

 まずは今秋から販売する新型車に松下通信工業/松下電器産業製のG-BOOK対応カーナビゲーションシステムを搭載する。G-BOOK対応端末には、専用のインターネットブラウザー、DCMと連携したGPS機能、音声認識/音声合成システム、デジタルオーディオプレーヤー機能などが装備されているほか、SDメモリーカードスロットも内蔵。地図や音楽、動画など容量の大きいデータについては、コンビニエンスストアやガソリンスタンド店頭に設置されたキオスク端末でも販売し、SDメモリーカード経由で取り込めるようになっている。さらに来年の半ば以降は、他社製のカーナビにも拡大していく予定だ。

 同社グループはこれまでも車載端末向けのサービスとして「MONET」を展開してきたが、ネットワーク接続に使う携帯電話の通信料金が利用のネックとなっていたという。これに対してG-BOOKでは、通信料金込みので月額定額制のサービスとして展開する。価格はサービス開始時にあらためて発表する予定だが、「手頃な価格内」(豊田章男常務取締役)に設定するとしている。

PDAほどの大きさのDCM(右)。ダッシュボード内に装着され、G-BOOK端末とアンテナにケーブルで接続される 操作はタッチパネルまたは音声コマンドにより行なえる。なお、MIDIカラオケ機能もあるが走行中は歌詞が表示されない 豊田章男常務取締役。通信料金を意識せずに、「ラジオ感覚」で気軽に利用できるようにしたという

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(2002/8/28)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

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