【実証実験】

レスキューナウ、防災訓練で災害時緊急用ネットワーク構築システムを稼動

■URL
http://www.rescuenow.net/today_line/topnews/0209/020901nerima.html
http://www.nerima-saigai.net/

練馬区が用意した情報サイト。7時30分に震度6の直下型地震が発生した

 株式会社レスキューナウ・ドット・ネットは9月1日の防災の日に実施された「練馬区・東京都合同総合防災訓練」に参加し、緊急用ネットワーク構築システムの実験などを行なった。レスキューナウは、5月に練馬区と災害情報支援協定を締結している。

 今回の防災訓練でレスキューナウが行なった活動は、バイク便を利用した災害情報の取材・搬送、民間ヘリコプターによる被災地の撮影やレスキューロボットの搬送、そして衛星通信とP2P技術を利用した災害時用緊急ネットワーク構築実験だ。レスキューナウでは、災害時を想定して平常時からバイク便やヘリコプター会社と契約をしている。

 緊急ネットワーク構築システムでは、株式会社スカイリー・ネットワークスのワイヤレスP2Pソフト「DECENTRA」による無線ネットワークを構築する。今回の実験では、IEEE802.11bを使ったノートPC、PDAのネットワークを構築した。また、インターネットへの接続には、株式会社衛星ネットワークの通信衛星を利用し、現地で集められた情報を随時Webサイトで公開していく。防災訓練の会場となった石神井高校のグラウンドに機材を乗せたRV車が到着してから1時間程度でシステムの構築が完了した(そのうち30分は衛星を捕まえる時間に消費)。大震災ともなると、電気やガスなどのエネルギー供給が分断されることが容易に想像される。そこで、実験ではガソリンを利用した小型発電機によって電力を供給した(3~4時間発電できるという)。UPS装置もシステムに組み込まれているため、ガソリンがなくなっても30分程度はネットワークを維持できるそうだ。このシステムには、練馬の消防団の人達も興味津々な表情で説明を真剣に聞いていた。

パラボラアンテナの組み立てから1時間で通信インフラが
構築できる

 今回の実験では、システムの立ち上げまでにまったく問題が発生しなかった。無線ネットワークにつながったカメラ付きノートPCや、自転車を活用したボランティアのデジタルカメラによって、被災地の状況(今回は訓練の様子)が集められ、随時Webサイトに掲載された。文字による情報や掲示板への書き込みは、レスキューナウが準備しているMLに集められる。なお、高校のグラウンドという条件があったものの、見通しのある場所では100メートルを超えた地点のノートPCから1ホップで画像データが転送可能だった。

ネットワーク構築はITでも、現地の情報収集はアナログだ

 レスキューナウの田口幹也取締役は、「地震発生直後はともかく、少し経って落ち着いてから『これからどうやって生きていくか』という情報は、マスメディアに載らない。必要なのは被災者一人一人のミクロな情報。現地で集められた情報と、被災地の外から寄せられる支援情報をマッチングさせるのがレスキューナウの仕事だ」と語った。

町内ごとに訓練に参加した練馬区民。お年寄りが多かった 地震を仮想体験できる特殊車輌は大人気だった

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(2002/9/2)

[Reported by okada-d@impress.co.jp]

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